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「巧遅は拙速に如かず」の意味(語源由来・出典・対義語・英語訳)
【ことわざ】
巧遅は拙速に如かず
【読み方】
こうちはせっそくにしかず
【意味】
たとえ出来がよかったとしても、遅いよりは、下手でも速いほうがいいということ。
逆に、ちょっと下手でも、サクッと終わらせる方が実は役立つんやな。速さって、結構大事やわ!
【語源・由来】
兵法家孫子が、
「戦争はたとえ戦術がまずかったとしても、素早く行動して早く終わらせることが大切である。」
と説いた言葉に基づく。
【出典】
「孫子・作戦」には「兵は拙速を聞くも未だ巧みの久しきを睹(み)ざるなり」とあり、
「文章軌範・有字集序」には「巧遅は拙速に如かず」とある。
【対義語】
・急がば回れ(いそがばまわれ)
【英語訳】
It’s better to be brisk and slapdash than painstaking but slow.
「巧遅は拙速に如かず」の解説
「巧遅は拙速に如かず」っていう言葉は、仕事がすごく上手だけど遅いより、少し下手でも速く終わらせる方が良いっていう意味なんだよ。
例えばね、宿題をする時、すごくキレイな字で書こうと思って、ゆっくりと時間をかける子と、字はあんまりキレイじゃないけど、サッと終わらせる子、どっちが良いかって考えると、サクッと終わらせる方が後で遊ぶ時間もできるし、実際には便利だよね。
このことわざも、そんな感じ。上手さよりも、効率やスピードを重視するってことを伝えているんだ。要は、「完璧を求めて時間をかけるより、手早く終わらせる方が実は役に立つよ」という教えなんだよ。
「巧遅は拙速に如かず」の使い方
「巧遅は拙速に如かず」の例文
- 次のデザインは期日に間に合うように仕上げてもらいたい。巧遅は拙速に如かずだ。
- 計画をもう少し練りたいけれどとにかく実行にうつそう。巧遅は拙速に如かずだからね。
- もっと細かいところまで仕上げたいけれど、それでは〆切に間に合わない。巧遅は拙速に如かずだ。
- この仕事は巧遅は拙速に如かずだから、期日に間に合うように仕上げてくれるだけで十分だ。
「巧遅は拙速に如かずというので、多少の間違いは仕方のないことでしょう。」
などと使うのは誤り。
「巧遅は拙速に如かず」の文学作品などの用例
然るに新聞紙の材料は巧遅なるよりは拙速を重んじ、堂々たる大論文よりは新鮮なる零細の記事、深く考慮すべき含蓄ある説明よりは手取早く呑込む事の出来る記実、噛占めて益々味の出るものよりは舌の先きで甞めて直ぐ賞翫されるものが読者に受ける。(内田魯庵の二葉亭四迷の一生より)
まとめ
どれほど上手に仕上げたとしても、期日に間に合わなければ困ることがあるのではないでしょうか。
時には、巧遅は拙速に如かずというように、下手でも速さを求められることもあるのですね。