「呉牛月に喘ぐ」の意味(語源由来・出典・類義語)
【ことわざ】
呉牛月に喘ぐ
【読み方】
ごぎゅうつきにあえぐ
【意味】
過剰におびえること。疑心があると無害なものや何でもないものも恐ろしく思えるということ。
「呉牛」は、水牛のこと。中国の南方、呉地方に多かったことから。「喘ぐ」は、苦しそうにせわしなく息をする。苦しむ。
ほぉ、つまり、「無用な心配をして、おおごとにする」ってことやな。
月を見ても、暑さを恐れるあまり太陽だと勘違いする牛のように、余計なことでドキドキしてしまうことを言うんやね。簡単に言うと、大騒ぎせんでもええことで、気をもんでるってことやな。
【語源・由来】
非常に暑い呉地方にすむ水牛は日照りを常に恐れ、月を見ても太陽ではないかと思いひどくおびえることから。
【出典】
「世説新語」
【類義語】
・杯中の蛇影
・羹に懲りて膾を吹く
・杞憂
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「呉牛月に喘ぐ」の解説
カンタン!解説
「呉牛月に喘ぐ」っていう言葉は、面白い話が元になっているんだよ。昔のお話「世説新語」によると、呉の国の牛は、暑さがとても苦手で、夜の月を見て、それを昼の太陽だと間違えて、暑くなることを怖がって息を切らしていたんだって。面白い間違いだよね?
この話から、このことわざは、「実際よりも大げさに心配する」とか、「取り越し苦労をする」という意味になったんだ。要するに、本当は大丈夫なのに、自分の中で余計な心配をしてしまうことをこの言葉で言い表しているんだよ。
「呉牛月に喘ぐ」の使い方
すべてが幽霊に見えてくるよ。
呉牛月に喘ぐというやつよ。怖いと思わなければ何も見えないわ。
そこに居るようにみえる幽霊は、怖いから見えているだけでカーテンか何かなんだね。
…あれは本物ね。
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「呉牛月に喘ぐ」の例文
- あの事件以来、彼は呉牛月に喘ぐようだ。
- 疑心暗鬼にならない方が良い。呉牛月に喘ぎ正しい判断ができなくなる。
- 呉牛月に喘ぐように、呼び鈴がなると押し売りじゃないかと疑う。
- SNSはどのように悪用されるか常人には分からないので、呉牛月に喘ぐくらいがちょうどいい。
- 海外旅行での怖い話をたくさん聞かされたので、空港に降り立ってから呉牛月に喘ぎ歩き回ることができない。
それが転じて、無駄に心配して、必要以上に苦労することの比喩として使われるようになったんだよ。