「鬚の塵を払う」の意味(出典・故事・語源由来・類義語)
【ことわざ】
鬚の塵を払う
【読み方】
ひげのちりをはらう
【意味】
目上の人にこびへつらう態度をとること。
真心からの行動や言葉が、結局は一番大切やってことやね。目上の人だけじゃなく、誰に対しても誠実でいることが、信頼される秘訣かもしれへんわ。
【出典】
「宋史」
【故事】
中国宋の副宰相丁謂が、ある会食で宰相寇準のひげについた汚れをふき取ったところ、寇準は笑いながら「副宰相は一国の大臣。上役のひげを払わなくても良かろう」と言った。丁謂はいたく恥じたという故事から。
【語源由来】
他人のひげについたごみを取ってあげる意から。
【類義語】
・胡麻を擂る
「鬚の塵を払う」の解説
「鬚の塵を払う」という表現は、目上の人におべっかを使う、あるいは過度にこびへつらうことを意味する言葉だよ。この故事は、宋の時代に実際にあったとされるエピソードから来ているんだ。丁謂が、宰相である寇準の髭に付いた吸物の汚れを拭い取ってあげたことから、目上の人に対して過度に気を使う行為、またはそのような行為を通して好意を得ようとする態度を表しているんだ。
この言葉は、単に親切心から行動するのではなく、自分の地位や利益を向上させるために、目上の人物に巧みに取り入ろうとする様子を批判的に捉えているよ。社会や職場などで、権力者に対して不必要なほどの過剰な敬意を示したり、自分を良く見せるために行う行動が「鬚の塵を払う」と例えられることがあるね。
この表現を使うことで、人間関係の中での誠実さや、相手を尊重する態度と、自分の利益のために他人に媚びる行為との間のバランスを考えさせてくれるんだ。また、目上の人に対して適切な敬意を払うことと、過剰なおべっかを使うこととの違いを理解することの重要性も教えてくれるよ。
「鬚の塵を払う」の使い方
「鬚の塵を払う」の例文
- 部下が上司の意見に異を唱える場面は少なく、多くの人は鬚の塵を払うように、ただ上司の言うことに同意する。
- 昇進するために、社内の影響力のある人々に対して鬚の塵を払う戦略をとっている。
- 社長の周りにはいつも鬚の塵を払う人ばかりで、意見を言える人がいない。
- 彼女は批判されることを恐れ、常に上司に鬚の塵を払ってばかりいる。
- 目上の人に対して鬚の塵を払うような態度を取り、重用されようとしている。
この言葉は、目上の人に対して過度にこびへつらうことやおべっかを使うことの姿勢を表現していて、しばしば批判的な意味合いで使われるんだよ。