「麝あれば香し」の意味(出典・語源由来・類義語)
【ことわざ】
麝あれば香し
【読み方】
じゃあればかんばし
【意味】
才能あるものは自然に世に認められることになるということ。
賢い人やすごい才能の持ち主は、わざわざ自分から言わんでも、ひとりでにそのすごさが人々に知られていくってわけや。自分のええところは、自然と光って見えるもんやってことかいな。
「金剛川老註」
【語源・由来】
麝香のある所には自然に高い香気が漂っているという意から。
【類義語】
・紅は園生に植えても隠れなし
「麝あれば香し」の解説
「麝あれば香し」という言葉は、もともとは「金剛川老註」という古い本に書かれていることわざだよ。この「麝」というのは、麝香鹿のことで、そのお腹のところに特別な袋があって、そこから取れる匂いがすごくいい香りのする「麝香」という香料が作られるんだ。
この言葉の意味はね、すごくいい能力や、学問がある人は、自分からどんどんアピールしなくても、自然と周りの人に認められるってこと。つまり、麝香鹿がいると、その香りが勝手に広がっていって、人々に知られるように、素晴らしい才能や徳は、自分から言わなくても、勝手に人々に広まって評価されるってことを教えているんだよ。
たとえばね、クラスにすごく勉強ができる子がいたとして、その子が自慢するわけでもないのに、テストの点数がいつもいいから、みんなが「あの子は賢いな」と思うよね。それと同じで、いい香りがする麝香鹿が近くにいれば、そのいい香りで「あっ、いい匂いがするな」とみんなが気づくのと同じなんだ。
だから、「麝あれば香し」っていうのは、本当にすごいことができる人や、立派な人は、何も言わなくても、みんなが勝手に知って、認めてくれるっていう意味があるんだよ。
「麝あれば香し」の使い方
そうなの。それに、自慢高慢馬鹿のうちで馬鹿にされたくないから自慢はしないの。
「麝あれば香し」の例文
- 嚢中の錐のごとく彼女の才能は目立ち、麝あれば香しで世に認められていった。
- 能ある鷹は爪を隠すというが、麝あれば香しというように隠しきれるものではない。
- 才能を認められたいから東京に行きたいって?麝あれば香しだから、本当に才能があればどこにいても認められるものだ。
- 彼の才能を聞きつけてスカウトマンが大勢観戦に来たが、麝あれば香しだな。
- 世界の片隅の小さな島国にいようが、麝あれば香しで必ずその才能は見出される。