「壺中の天」の意味(出典・故事・類義語)
【ことわざ】
壺中の天
【読み方】
こちゅうのてん
【意味】
別世界。俗世を離れた別天地。また、酒を飲んで俗世間を忘れること。
そして、酒飲んでストレスや悩みを忘れるときも、それはそれで楽しい独自の時間やな。まるで壺の中に天が広がってるかのように、ちっちゃな場所でも楽しみや喜びを見つけられるってことやね。これは、大事なことわざやな。
【出典】
「後漢書」
【故事】
壺公という薬屋が一日の商いを終え、店先の壺の中に飛び込むのを見た費長房は、老人に頼み壺の中に入れてもらうと、中には美しい建物があり酒や料理がずらりと並んでいたので、ともに飲んで楽しんだという故事から。
【類義語】
・壺中の仙
・壺中の天地
「壺中の天」の解説
「壺中の天」っていう言葉はね、まるで違う世界や、まったく別の空間を感じさせることを表してるんだよ。それと同時に、酒を飲んで、普段の生活のことや悩みを忘れてしまうことの例えとしても使われるんだ。
話をもっと分かりやすくすると、「壺中」というのは、文字通り「壺の中」のこと。昔昔、中国の時代に、費長房っていう名前の人が市場で働いていたときの話なんだ。ある日、彼は薬を売っているおじいさんが、商売を終えた後、自分の店の前に掛けてある壺の中に飛び込むのを目撃したんだよ。
興味津々の費長房は、そのおじいさんに「仙人の技」と呼ばれる特別な力を教えてほしいと頼んだんだ。そしたら、おじいさんは彼をその壺の中に入れてくれたところ、壺の中は信じられないくらい広くて、すごく立派な建物や、美味しい酒や食べ物がたくさんあったんだ。費長房はその場所でおじいさんと一緒にご飯を食べて、酒を飲んで、壺の外に出てきたという話なんだ。
この話が『後漢書』っていう古い本に載っていて、それが「壺中の天」の由来となっているんだよ。この言葉は、外の世界とは全く違う、別世界を感じさせる場面や、日常を忘れさせるような体験を表すときに使われるんだね。
「壺中の天」の使い方
「壺中の天」の例文
- 酒は百薬の長ともいうし、壺中の天で嫌なことを忘れさせてくれる。
- この店はおいしい酒とおいしい料理がそろっていて、まさに壺中の天だ。
- しがらみに縛られ心擦り切れ、壺中の天に逃げ込みたい。
- ここは楽園、壺中の天だ。たまった疲れが吹き飛んだ。
- 年に数回気が置けない友人たちと、壺中の天の会を開き憂さを晴らす。
また、酒に酔って普段の生活や悩みを忘れるような感じも表しているんだよ。