「長い物には巻かれろ」の意味(故事・類義語・対義語・英語訳)
【ことわざ】
長い物には巻かれろ
【読み方】
ながいものにはまかれろ
【意味】
自分よりも権力が上である者や、大勢が賛成することには逆らわず、おとなしく従っておいたほうが物事がうまく進むということ。
強い力に無理に立ち向かうよりも、状況に応じて柔軟に対応することの大切さを示してる言葉やな。現実には、時には流れに身を任せるのが一番ええ戦略やったりするんやね。
【故事】
元となる話は中国の故事とされます。ある時、猟をしていた猟師が、象の鼻に巻き上げられてしまいました。そのまま象に運ばれていると、象と猟師の前に獅子が現れ、獅子は象に襲い掛かります。すかさず猟師が石弓(古代の武器)を発射して獅子を倒しました。すると象は再び猟師を鼻で巻き、歩き出します。ジャングルの奥地まで運ばれた猟師が見たものは、大量の象牙でした。猟師に助けられた象が、そのお礼として仲間の象が眠る「象の墓場」に連れてきてくれたのです。猟師はその象牙を売って大儲けをすることができました。
【類義語】
・大きな物には呑まれる
・泣く子と地頭には勝てぬ
・太きには呑まれよ
・太きには呑まれよ
・寄らば大樹の陰
・大勢順応
・付和雷同
【対義語】
・鶏口となるも牛後となるなかれ
【英語訳】
If you can’t beat them, join them.(打ち負かすことができなければそれに従え)
「長い物には巻かれろ」の解説
「長い物には巻かれろ」ということわざは、勢力や権力がある者には逆らわず、その流れに従うほうが賢明であるという教えを伝えているんだよ。
この表現は、力のある人や組織に対して抵抗するよりも、その力に従って行動する方が、トラブルを避けたり、自分の利益になることが多いという現実を示しているんだね。たとえば、大きな会社や政府などの方針に従うことで、自分が有利な立場を保つことができるといった状況を「長い物には巻かれろ」と表現することがあるよ。
この言葉は、現実的な観点から、時には自分の意見や立場を主張するよりも、既存の勢力や流れに柔軟に対応することの重要性を教えているんだ。これは、実際のところ、強い力に抵抗することが難しい場合や、抵抗することが不利になる可能性がある場合に、賢く対処する方法として示されている言葉なんだよ。
「長い物には巻かれろ」の使い方
「長い物には巻かれろ」の例文
- 僕は基本、平穏無事に過ごしたいので長い物には巻かれろ主義である。
- 先輩の命令は基本絶対であるため、後輩の僕らは長い物には巻かれろを徹底している。
- 学園祭ではぼくは演劇をしたかったけれど、長い物には巻かれろというから、みんなが言う合唱に賛成した。
- 長い物には巻かれろというように、強い人や目上の人など、かないそうもない相手には、おとなしく従うほうが得だ。
- 僕の後輩は自分の後輩には強気だが、上司になると媚びへつらいがすごく、まさに長い物には巻かれろな感じである。
- 出る杭は打たれるって言うだろ、長い物には巻かれるのが一番だよ。
- 今まで自分は長い物に巻かれて生きてきたけど、これでいいのだろうか。
- プライドを捨ててまで長い物に巻かれて生きてきたのは、愛する家族を養うためだ。
- 入社したての頃は長い物に巻かれて仕事をしてたけど、経験も積んで、人脈もできたし、そろそろ本領を発揮するかな。
- 出世するには権力に逆らうより、長い物に巻かれたほうが得策だ。
この言葉は、大きな力や影響力を持つ人や組織に対して抵抗することの無益さや危険性を示していて、そのような力に対しては従うことで自身の安全や利益を守ることができるという考えを表しているんだね。