「舐犢の愛」の意味(語源由来・出典・故事)
【ことわざ】
舐犢の愛
しとくのあい
【意味】
親が自分の子を溺愛すること。
子供がどんだけやんちゃしても、親はかわいくてしかたないっていう、そんな強い愛情を言うんやな。
【語源・由来】
親牛が子牛をなめてかわいがることから。
【出典】
「後漢書」
【故事】
中国魏の曹操は、楊脩の非礼を怒り脩を殺した。のちに曹操は、脩の父楊彪に会ったとき「あなたはなぜそんなに瘦せたのか」と尋ねたところ彪は「お恥ずかしいことに、私には前漢の金日磾が天子のためにならないからといって自分の子を殺したような先見の明もなく、老いた牛が子牛をなめてかわいがるような溺愛の情だけを持っているのです」と答え、曹操は居住まいを正したという故事から。
「舐犢の愛」の解説
「舐犢の愛」というのはね、お母さんの牛が自分の子どもの牛をペロペロとなめるように、お父さんやお母さんが自分の子どもをすごくかわいがって、たくさん愛情を注ぐことを言うんだよ。「舐」というのは「なめる」という意味で、「犢」というのは子牛のことなんだよ。この言葉は『後漢書ごかんじょ』という本に出てくるんだ。
たとえば、親が子どものことをとっても大切に思って、いつも子どものそばにいてあげたり、子どもが困っているとすぐに助けてあげたりすることを言うんだね。学校から帰ったら、「今日はどうだった?」っていつも聞いてくれたり、大好きなおやつを用意してくれたりするような、すごく愛情深い様子のことを指しているんだよ。
だから、「舐犢の愛」というのは、親が子どもをとっても愛して、いつも子どものことを第一に考えるような、深い愛情を表している言葉なんだね。
「舐犢の愛」の使い方
「舐犢の愛」の例文
- 箱入り育ちのともこちゃんは、舐犢の愛の中で育った。
- 舐犢の愛で包み込まれた健太くんは、とても穏やかな性格をしている。
- ともこちゃんは舐犢の愛で育てられたので、この世は残酷だということを知らない。
- 親ガチャで当たりだったので、舐犢の愛の中で満ち足りた日々を過ごすことができた。
- 両親は、常に舐犢の愛を示してくれたので反抗期はなかったように思う。
「舐犢の愛」の文学作品などの用例
世間体が悪いなどと思って私に内緒で金をやったりなどしてはならん。舐犢の愛という言葉があるが、それはお前のようなのを言うのだ。何かにつけて親牛が無闇と子牛を舐めて可愛がる。(佐藤春夫の都会の憂鬱より)
このことわざは、親が子どもを溺愛し、かわいがることを表現しているんだね。