「遼東の豕」の意味とは?(出典・故事・類義語・英語訳)
【ことわざ】
遼東の豕
【読み方】
りょうとうのいのこ
【意味】
世の中のことを知らずに、自分だけが得意になること。独りよがり。
【出典】
「後漢書」朱浮
【故事】
昔、遼東に住む男の家に、頭の毛が白い豚の子が生まれた。これは珍しいからと王に献上しようと思い、河東まで行ったところで豚の群れを見たら、そこの豚はみんな頭の毛が白かった。そこで男は恥ずかしくなって、こそこそ引き返してきたという故事に基づいている。
【類義語】
・井の中の蛙大海を知らず
・足の髄から天井をのぞく
・針の穴から天のぞく
【英語訳】
He is a person who knows but little of the world.
「遼東の豕」の解説
「遼東の豕」の由来は、昔の中国の話から来ているんだ。
遼東(りょうとう)という場所に住んでいた人が、頭が白い豚(豕)を見つけて、これは珍しいからと思って皇帝にプレゼントしようと都に持って行ったんだ。でも、都に着いたら、そこには頭が白い豚がたくさんいて、全然珍しくないことがわかったんだ。その人は恥をかいて遼東に帰ったという話から、「遼東の豕」という言葉が生まれたんだ。
この話から、「遼東の豕」は自分だけが正しいと思い込み、他人の意見や視点を全く考えない態度を指す言葉となったんだよ。
「遼東の豕」の使い方
「遼東の豕」の例文
- ぼくは、自分以外には絶対にできない技ができるようになったと思っていたが、遼東の豕だったようだ。
- 彼女は自慢げに聞かせてくれた話だけれど、遼東の豕で実はもうみんな知っていることだった。
- 妹は自分だけが特別にできることだと信じているようだけど、遼東の豕だとは言えなかった。