「罪を憎んで人を憎まず」の意味(出典)
【ことわざ】
罪を憎んで人を憎まず
【読み方】
つみをにくんでひとをにくまず
【意味】
犯した罪は罪として憎むべきものだが、その罪を犯した人までも憎んではならない。
罪は罰するけど、人は許してやる、そんな寛大さが大切ってことやね。人間誰しも間違いはあるからな。
【出典】
「孔叢子・刑論」から。
「罪を憎んで人を憎まず」の解説
「罪を憎んで人を憎まず」という言葉は、人が犯した罪は憎むべきだが、その人自体を憎むべきではないという意味を持っているんだよ。
この言葉は、誰かが間違いを犯したとき、その行為自体は非難されるべきだけれども、その人の全人格を否定するべきではない、という考え方を示しているんだ。つまり、人間は誰しも間違いを犯す可能性があるという理解に基づいて、罪の行為は正すべきだけれども、その人自体を否定したり、排除したりすることは避けるべきだと教えているんだね。
たとえば、法律を破ったり、道徳的に誤ったことをした人に対しては、その行為を指摘し、適切な処置を取ることが必要だ。しかし、その人自体を永遠に憎むことはせず、改善の機会を与えるべきだという考え方が、「罪を憎んで人を憎まず」には込められているんだ。
このことわざは、個人の行為とその人の価値を分けて考えるべきだという、寛容で理解ある姿勢を示しているんだよ。人は間違いを犯すことがあっても、それを正す機会を持つべきだという考えを表しているんだね。
「罪を憎んで人を憎まず」の使い方
「罪を憎んで人を憎まず」の例文
- 人はどこかに必ず善の心があります。罪を憎んで人を憎まず、罪を犯すことのない環境を作りましょう。そうすれば善はおのずから表に出てきます。
- いつまでも罪を犯した人を憎んだり、恨(うら)んだりすれば、その人は改心する機会を失います。罪を憎んで人を憎まず苦しいですが寛容(かんよう)の心を持って接することが大切です。
- 飲酒運転をして事故を起こす人は絶対に許せない。ましてや相手が死亡したら殺人と同じです。罪を憎んで人を憎まずといいますが、そこまで許すことはできません。
- 罪を憎んで人を憎まずとは一つの憎しみが更に増幅して、報復(ほうふく)の嵐を招かないために必要なことなのです。
「罪を憎んで人を憎まず」を英語で言うと?
「罪を憎んで人を憎まず」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Hate the sin, love the sinner.
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- 直訳:罪を嫌い、罪人を愛せよ。
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Hate the crime not the person.
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- 直訳:罪人ではなく、罪を嫌え。
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まとめ
憎悪(ぞうお)の連鎖を止めるためには、罪を憎んで人を憎まずにいることが大切なのは理解できます。時には悪びれない犯人を見て、この言葉を忘れてしまいそうになります。特に亡くなった被害者(ひがいしゃ)の人権が語られずに、犯人の人権のことを言われると、どこか虚(むな)しさを感じることがあります。人間にとって罪を憎んで人を憎まずとは厳しい修行のようなのもだと思います。
罪を犯したことには適切な対応をする必要があるけれど、人としては許し、再び立ち直る機会を与えるべきだという考えを示しているんだ。