「泉石煙霞の病」の意味(出典・故事・類義語)
【ことわざ】
泉石煙霞の病
せんせきえんかのやまい
【意味】
人里離れて自然の中で生活したいという願いにとりつかれた状態を、病にかかったようだと表現した言葉。
例えば、田んぼと山と川だけの小さな村でのんびりと暮らしたいと思うような気持ちだよ。
「旧唐書」
【故事】
中国、唐の田游巌は嵩山に隠棲して、皇帝の高宗からいくら召されても出仕しなかった。高宗が嵩山に行幸した時に彼をたずね「この頃の身体の具合はどうか」と尋ねると「私はいわゆる泉石の膏肓、烟霞の痼疾にかかっています」と答えた故事から。
【類義語】
・烟霞の痼疾
・煙霞の癖
・泉石の膏肓
「泉石煙霞の病」の解説
「泉石煙霞の病」という表現は、山水や自然の風景に深い愛着や傾倒を示し、それがまるで病気のように強い情熱を持っている状態を指しているんだよ。「泉石」とは泉水や庭石を意味し、自然の美しさを象徴している。一方、「煙霞」(または「烟霞」)は霧やかすみを表し、ぼんやりとかすんで見える風景や神秘的な自然の美を指しているんだね。
この表現は、自然の美に対する深い愛情や傾倒を表現するのに使われることがあるよ。特に、山水画や庭園などの自然の風景に心を奪われ、その美しさに夢中になる様子を「泉石煙霞の病」と例えるんだ。
この言葉は、自然や風景に対する情熱や愛情が非常に強いことを示していて、それがほとんど病的なほどの執着になっているという意味合いがあるんだね。自然の美しさに対する深い感銘や愛着を持つ人々の心情を表現するのに適した言葉なんだよ。このことわざは、自然への深い愛情やそれに対する情熱的な態度を表しているんだ。
「泉石煙霞の病」の使い方
「泉石煙霞の病」の例文
- 年をとると緑が恋しくなり、泉石煙霞の病にかかる。
- 「土から離れては生きられないのよ」とシータは言ったが、確かに泉石煙霞の病にかかる。
- コンクリートジャングルに住んでいると便利だが、泉石煙霞の病に冒される。
- 泉石煙霞の病が強くなったが、今更不便な田舎生活は無理だ。
- 泉石煙霞の病にかかり居ても立っても居られなくなったので、とりあえずソロキャンプに山奥に出かけた。
人が町の喧騒から逃れて自然の中で暮らしたいという強い気持ちのことを指しているんだ。