「抜かぬ太刀の高名」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
抜かぬ太刀の高名
【読み方】
ぬかぬたちのこうみょう
【意味】
力量のある人が実際に力を発揮しないで、人から重んじられること。争うより我慢して争わない方が勝るということ。
実力をひけらかさずにいると、かえってその価値が高まるってことやね。実際には何もせえへんのに口だけ達者な人には、気を付けなあかんってことやな。
【語源由来】
刀を抜いて戦ったわけではないのに、実戦で勝ったのと同様の手柄を得ることから。
【類義語】
・相手のさする功名
・取らずの大関
「抜かぬ太刀の高名」の解説
「抜かぬ太刀の高名」という表現は、実際に自分の力量や技術を示さずにいても、人々から高く評価されることを表す言葉なんだよ。また、この言葉にはもう一つの意味があって、口先だけで実際には何も示していない人を揶揄(やゆ)する時にも使われるんだ。
この表現の由来は、太刀(日本刀)を抜かないでいるけれど、その存在だけで人々に恐れられたり、尊敬されたりすることから来ているんだ。太刀を抜かなくても、その人の強さや威厳が感じられる、ということを意味しているんだね。
たとえば、ある武士がとても強いけど、実際にはあまり剣を振るうことがなくても、その評判だけで他の人から尊敬されるような状況を「抜かぬ太刀の高名」と言うんだ。それは、その武士が本当に強いことを皆が知っているからなんだよ。
一方で、口だけで実際には何も見せない人に対して、この言葉を皮肉っぽく使うこともあるんだ。その場合は、「実際には何もしていないけど、口先だけは立派」という意味になるんだね。
つまり、「抜かぬ太刀の高名」は、実際に力を示さなくても評価されることと、反対に実力を示さずに口だけで評価されることの両方を表している言葉なんだ。
「抜かぬ太刀の高名」の使い方
「抜かぬ太刀の高名」の例文
- 日本の政治家は口先ばかりで、抜かぬ太刀の高名で呆れる。
- 隣国に武力侵攻され勝つまで戦うと大統領は宣言したが、抜かぬ太刀の高名ともいうから、国民のためを思うならば耐えることもまた必要なのではないだろうか。
- ともこちゃんは優秀なのにひけらかすことがないから、抜かぬ太刀の高名のごとく信頼され重用される。
- 能ある鷹は爪を隠すと言うが、能力がありながらあえて隠すのは、抜かぬ太刀の高名のように尊敬を集める行為だ。
- 健太くんは口だけ立派で、抜かぬ太刀の高名のごとく何もしない。
また、この言葉は、実際には何もしないけれど口だけ達者な人を皮肉る意味でも使われるんだね。