「日暮れて道遠し」の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)
【ことわざ】
日暮れて道遠し
【読み方】
ひくれてみちとおし
【意味】
年を取ってしまったのになすべきことがたくさんあって、目的に達するには程遠いことのたとえ。期限は迫ったのに、事が完成するまでには程遠いことのたとえ。
どっちも「もう夕暮れやけど、まだ道が長い」っていう心境を表してるわけや。
【語源・由来】
春秋時代後期、伍子胥という人物が、楚の平王への報復を心に誓ったが、報復する前に平王が亡くなる。そこで、平王の墓をあばいて掘り出した死骸を鞭打って恨みを晴らした。そんな伍子胥を見て、知人の申包胥はそのやり方を非難した。それに対して伍子胥が言った「吾日暮れて途遠し。吾、故に倒行して之を逆施す」に基づく。
【出典】
「史記」「伍子胥伝」
【類義語】
道遠く日暮る
前途遼遠
【英語訳】
The day is short、and the work is much.
My goal is still a long way off.
「日暮れて道遠し」の解説
「日暮れて道遠し」という言葉は、文字通り「日が暮れてまだ道が遠い」という状況から来ているんだ。このことわざには二つの意味があって、一つ目は年齢を重ねてしまったけれども、まだ目標や目的には遠く、達成するのに時間がかかることを表している。二つ目の意味は、期限が迫っているにも関わらず、目前のタスクや目標がなかなか完了しない、進行が遅いことを表しているんだ。
このことわざは、特に困難な状況や挑戦が残っているときに、それに対する緊急感や焦りを感じる心情を表現するのに使われることが多いよ。例えば、キャリアの後半において大きなプロジェクトを始めた人が、成果を出すまでにはまだ多くの努力が必要だと感じる場合や、締め切りが迫っているのにプロジェクトが思うように進まないときに、この言葉を使うことがあるね。
「日暮れて道遠し」は、時間的な制約や個人の努力、進行状況に関する感覚を象徴的に表しており、不安や焦り、さらには努力の必要性を思い起こさせる言葉として機能しているんだ。
「日暮れて道遠し」の使い方
「日暮れて道遠し」の例文
- ああ、もうこんな時間なのか、日暮れて道遠し、このままでは明日のパン屋の開店時間までに間に合わないじゃないか。
- 癌の新薬を開発しようと三十年も研究してきたのだが、まだ完成までには遠く、年老いた身の私には残念ながら日暮れて道遠しの感が否めない。
- 例の調査報告、来月が期限だけど出来ているかとたずねられたので、「今、十万通のアンケート結果を集計中で、日暮れて道遠しといった状況なんだ。もう少し待てないか」と答えた。
- 明日が締め切りの原稿が二つあるのに、日暮れて道遠しという感じの状況なので、編集者から逃げる作戦を立てたが、そんな暇があるなら仕上げようと思いなおした。
- 明日が施主さんに引き渡す日なのに、台風のせいで作業が遅れてしまったので日暮れて道遠しという感じだ。
一つ目は、年を取ってしまったが、まだ自分の目的や目標には遠く、時間が足りないという状況を表す。二つ目は、期限が迫っているにもかかわらず、目前の課題がなかなか完了しないという状況を指すよ。