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【一日作さざれば百日食らわず】の意味と使い方や例文!故事は?(類義語・英語)

一日作さざれば百日食らわず

【故事成語】
一日作さざれば百日食らわず

【読み方】
いちじつなさざればひゃくにちくらわず

【意味】
農民が一日耕作を休めば、百日分の食料を失うことになるということ。大切な時期の仕事を怠ると、後で大きな損失につながるという戒め。

ことわざ博士
一日だけの怠りでも、時機を逃すと取り返しにくい結果を招くという教えを表しているよ。
助手ねこ
農作業だけでなく、準備・管理・練習など、毎日の積み重ねが成果を左右する場面で用いるニャン。

【英語】
・Make hay while the sun shines(好機があるうちに働き、それを生かす)
・A stitch in time saves nine(早めの手当てが大きな損を防ぐ)

【類義語】
・一日作さざれば一日食らわず(いちじつなさざればいちじつくらわず)
・働かざる者食うべからず(はたらかざるものくうべからず)

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「一日作さざれば百日食らわず」の故事

故事成語を深掘り

この故事成語のもとになった表現は、中国・前漢の歴史書『史記』(しき)にあります。『史記』は、前漢の司馬遷が著した歴史書で、前91年ごろ完成したとみられ、全体は本紀・表・書・世家・列伝から成ります。

この言葉が出てくるのは、『史記』の「趙世家(ちょうせいか)」です。「世家」は諸侯などの家の歴史を記す部分で、「趙世家」には、戦国時代の趙の君主たちの動きが書かれています。

故事の場面は、趙の粛侯(しゅくこう)十六年の出来事です。粛侯が大陵(たいりょう)に遊び、鹿門(ろくもん)を出ようとしたとき、大戊午が馬を止めて諫めます。

原文には、「耕事方急、一日不作、百日不食」とあります。これは、耕作の仕事がまさに急ぎの時期であり、一日作業をしなければ百日食べられなくなる、という意味です。

ここでいう「作」は、物を作るという広い意味ではなく、田畑を耕し、農作物を育てる仕事に関わります。前に「耕事方急」とあるため、農繁期の耕作を怠ってはならないという文脈が、はっきりしています。

大戊午は、君主の巡遊そのものを非難したのではありません。農民が忙しい時期に君主の行列が出れば、人手や時間が奪われ、田畑の作業に差し支えることを心配して馬を止めたのです。

粛侯はその言葉を聞き、車を下りて謝ったと記されています。身分の高い君主であっても、農作業の時機を軽く見てはならないと受け止めた場面です。

原文の形は「一日不作、百日不食」です。日本語ではこれを漢文訓読の形で受け取り、「一日作さざれば百日食らわず」と読み下すことで、現在の表現として用いられるようになりました。

「不作」は、ここでは「作さざれば」と読み、作業をしないことを表します。「不食」は「食らわず」と読み、食べるものを得られないこと、または食べていけない状態を表します。

この故事成語の特色は、一日の怠りを百日の損失に結びつけている点にあります。数字の大きな差によって、農作業には逃してはならない時期があり、小さな遅れが大きな結果を生むことを強く示しています。

よく似た言い方に「一日作さざれば一日食らわず」があります。こちらは唐の禅僧・百丈懐海が作務を重んじた話として伝わり、一日作務をしなければ食事をしないという、自分への戒めを表します。

一方、「一日作さざれば百日食らわず」は、『史記』の「趙世家」に見える農繁期の諫言に根をもつ表現です。農作業の一日を軽く見ると、後の生活全体に及ぶほど大きな損失につながる、という意味で理解されてきました。

現在では、農業に限らず、日々の準備や管理、練習を怠ると、後で大きな影響が出るという場面にも使えます。ただし、もとの故事には、農作業の時機を大切にするという具体的な背景があるため、単なる努力一般よりも、「今やるべき仕事を逃してはならない」という意味で用いると、言葉の芯がよく伝わります。

「一日作さざれば百日食らわず」の使い方

健太
学級菜園の水やり当番を二日続けて忘れて、ミニトマトの苗がしおれてきたよ。
ともこ
収穫前は毎日の世話が大事なんだね。ここで手を抜くと、実が少なくなりそう!
健太
先生が、一日作さざれば百日食らわずって言っていたよ。一日休んだだけでも、あとで大きく響くんだね。
ともこ
今日は二人で土をならして、水もたっぷりあげよう。明日から当番表も見直そう。
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「一日作さざれば百日食らわず」の例文

例文
  • 田植えの時期に水管理を怠ると収穫に響くため、農家は一日作さざれば百日食らわずを胸に田を見回った。
  • 夏休みの自由研究で毎日の観察記録を抜かすと変化が追えなくなるため、一日作さざれば百日食らわずの教えが当てはまる。
  • 店の仕込みを一日怠ったため翌日の営業に大きな支障が出て、一日作さざれば百日食らわずを痛感した。
  • 地域の花壇は真夏の水やりを一日怠るだけで苗が弱るので、一日作さざれば百日食らわずの心で世話を続ける必要がある。
  • 締切前の校正を先送りにした結果、後で大量の修正に追われ、一日作さざれば百日食らわずという言葉が身にしみた。
  • 牧場では餌やりと掃除を欠かすと家畜の健康に響くため、一日作さざれば百日食らわずの姿勢が欠かせない。

主な参考文献
・司馬遷『史記』前漢、前91年ごろ。
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・Cambridge University Press『Cambridge Dictionary』。





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