「大工の掘っ立て」の意味(類義語)
【ことわざ】
大工の掘っ立て
【読み方】
だいくのほったて
【意味】
大工が、人のために立派な家を建て、自分は粗末な掘っ建て小屋に住んでいること。他人のことばかりに忙しく、自分のことに無関心なこと。人にはもっともらしいことを言いながら自分では実行しないこと。
立派な家を建てる大工さんが、自分の家はちょっと見劣りする感じやねん。まあ、他人の世話をするのはいいけど、自分のこともちゃんと考えなあかんってことやな。
【類義語】
・紺屋の白袴
・医者の不養生
・足袋屋の素足
・餅屋餅食わず
・駕籠かき駕籠に乗らず
「大工の掘っ立て」の解説
「大工の掘っ立て」ということわざは、大工が他人のために立派な家を建てる一方で、自分自身は粗末な小屋に住んでいるという状況を指しているんだ。これは、プロフェッショナルが他人のためには高い技術やサービスを提供しながら、自分自身のことには無頓着であったり、自分のためにはその技術を十分に活用しなかったりするという状況を表すたとえ話なんだよ。
この表現は、しばしば専門家や職人が自分の仕事に関しては他人のニーズに対応することに注力している一方で、自分自身の同じニーズは後回しにしたり、あるいは疎かにしたりする皮肉な状況を描いているんだ。たとえば、美しい服を作る仕立て屋が自分はいつも同じ古い服を着ていたり、美味しい料理を作るシェフが自宅では非常に簡単な食事しかしなかったりするような状況がこれに当てはまるんだ。
「大工の掘っ立て」は、専門性や仕事において他人のためには優れた仕事をするが、それが自分自身の生活やニーズには反映されないという状況を皮肉っているんだね。それは、私たちが他人のためにはできる最善を尽くすことはあっても、同じエネルギーや資源を自分自身のためには使わないという人間の傾向を示しているんだ。このたとえは、プロフェッショナルも自己管理や自己ケアに注意を払うことの重要性を思い出させるメッセージを含んでいるんだ。
「大工の掘っ立て」の使い方
「大工の掘っ立て」の例文
- 彼は美容師さんなのに、髪がぼさぼさで大工の掘っ立てだ。
- 彼女は料理研究家という肩書があるが、大工の掘っ立てでコンビニ弁当ばかり食べている。
- ともこちゃんはお節介で、大工の掘っ立てだ。いつも人の世話ばかりして、自分のことは二の次だ。
- コメンテーターは大工の掘っ立てで、正義ぶりながら素行が悪い。
- 彼は教師だが、大工の掘っ立てのごとく自分の子供はほったらかしである。
このことわざは、他人の世話ばかりしていて、自分のことに無関心で手が回らないことを指しているんだよ。