【ことわざ】
薄氷を履むが如し
「薄氷を履む」ともいう。
【読み方】
はくひょうをふむがごとし
【意味】
川や湖、池などに張った薄い氷の上を歩くように危険きわまりないということ。
危険な冒険をするの意味では使わない。
【語源・由来】
「詩経・小雅」に「戦戦兢兢として深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如し」とあるのに基づく。
【類義語】
・危うきこと虎の尾を踏むが如し
・危うきこと累卵の如し
・蜘蛛の巣で石を吊る
・氷に座す
・氷を歩む
・重卵より危うし
・深淵に臨んで薄氷を履むが如し
・虎の尾を踏む
・虎の口へ手を入れる
・竜の頷の珠を取る
・竜の鬚を撫で虎の尾を踏む
・累卵の危うき
・累卵より危うし
【英語訳】
Walk on eggs.
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「薄氷を履むが如し」の使い方

健太くん、昨日のニュースを見た?近所のマンションの建築現場で、鉄パイプが落ちてきて歩行者がけがをしたというニュースよ。

見たよ。僕は現場で見たんだ。あの日の僕の運命は、薄氷を履むが如しだったんだよ。鉄パイプが落ちる直前に、靴紐がほどけて、直そうとしゃがんでいたら僕の横を通り過ぎた人の頭上に落ちてきたんだ。

それは、大変だったわね。

人が倒れたのを見て、必死で救急車を呼んでくださいって叫んだよ。本当に、彼の命が助かって、よかったよ。
「薄氷を履むが如し」の例文
- 彼は自分を言葉の番人だと思っているふしがあるので、話をする時は、薄氷を履むが如し思いで一語一語に注意して言葉を発しなくてはいけない。
- 計画の進行中に何度も薄氷を履むが如し思いを味わってきたが、いま、ほとんど最悪の事態とも思えるものが、突然発生した。
- 彼女がたとえ、文句のつけようがない優秀な女性だったとしても、その社内での立場の微妙さと言ったら、薄氷を履むが如し危うさなのである。
- いつ殺されるかわからない専制君主だったから、信長の家来たちは、つねに戦々恐々として、薄氷を履むが如しの心地でいたに違いない。
- ぎっくり腰を一度経験してから、繰り返し腰痛に悩まされるようになり、腰を曲げるにも薄氷を履むが如し動きで生活している。