【ことわざ】
風樹の嘆
【読み方】
ふうじゅのたん
【意味】
親孝行をしようと思い立った時には、すでに親は亡くなり孝養をつくすことができないなげき。
【語源・由来】
中国前漢時代の韓嬰による著書『韓詩外伝』にて、「樹静かならんと欲すれども風止まず。子養わんと欲すれども親待たず。往きて見るを得べからざる者は親なり(木が静かにしたいと思っていても、風がやまないのでどうすることもできない。孝行したいと子が思っても親は待ってくれない。あの世に行ってしまえば二度と会えないものは親である)」という記述から。
「風樹」とは、風に吹かれて揺れ動く樹木のことを表し、風の有無で揺れ動く樹木のように、どうすることもできない事から。
【類義語】
・石に布団は着せられず
・樹静かならんと欲すれども風止まず
・孝行のしたい時分に親はなし
・子養わんと欲すれども親待たず
・墓に布団は着せられず
【対義語】
–
【英語訳】
・A good thing is known when it is lost.
・regretting one’s unkindness to one’s deceased parents when they were alive
「風樹の嘆き」「風木の嘆き」「風樹の悲しみ」と表すこともあります。
「風樹の嘆」の使い方
先日、僕の父親が還暦を迎えたので、家族でお祝いをしたんだ。
まあ、とても素敵ね。君のご家族はとても仲が良いんだね。
昔はあまり父の事は好きじゃなかったんだけどね。大人になるにつれて親孝行をしなければ、と思うようになったんだよ。
良い心がけね。風樹の嘆となってしまっては遅いものね。
「風樹の嘆」の例文
- 父が亡くなってもう5年経つが、未だに風樹の嘆といったところである。
- 風樹の嘆とならないように、今のうちから親孝行を心がけるべきである。
- まさに風樹の嘆で、亡くなってから初めて親に対する孝行の気持ちが湧いてくる。
- 当時の自分は風樹の嘆という言葉を知らず、親には辛く当たっていた。