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「三十六計逃げるに如かず」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
三十六計逃げるに如かず
【読み方】
さんじゅうろっけいにげるにしかず
【意味】
困ったときは、どのような方法よりもその状況から逃げるのが最も賢明(けんめい)であるということ。
大変なことやめんどうなことが起きたら、「今は逃げた方が勝ちや!」って感じで、無理せず身を守る方法を選んだ方が賢いってわけやね。
【語源・由来】
出典は、南斉書(なんせいじょ)の王敬則伝(おうけいそくでん)で「檀公三十六策、走是上計」(だんこうさんじゅうろくさく、にぐるをこれさいじょうのけいとする)である。
【類義語】
・逃げるが勝ち(にげるがかち)
・負けるが勝ち(まけるがかち)
【英語訳】
同じ英語訳のことわざはありません。類義したことわざで Discretion is the better part of valor. (用心が勇気の大きな部分を占める。)というものがあります。
「三十六計逃げるに如かず」の解説
「三十六計逃げるに如かず」っていう言葉は、困ったことや大変なことが起こったときに、考えるよりも先に、とりあえず逃げるのが最善策だよ、っていう意味なんだ。
想像してみて。たとえば、川で大きな熊が現れたとして、そこで立ち止まって「どうしよう、どうしよう」と考えている時間はないよね? そんなときは、とりあえず逃げるのがベスト! この言葉も、そんな感じで、事態が悪くなったら、まずは安全な場所へ移動しよう、ってことを教えているんだ。
つまり、時々、考えるよりもアクションを取る方が大切ってことを伝えてるんだよ。めんどうなことや困ったことに遭遇したときには、迷わず逃げることも一つの賢い方法だよ、っていう意味なんだね。
「三十六計逃げるに如かず」の使い方
「三十六計逃げるに如かず」の例文
- このままでは再起不能になってしまいます。三十六計逃げるに如かず、ここは引きましょう。
- またあのクレーマーが来て騒いでいるよ。三十六計逃げるに如かず、反論せずに聞いたふりだけしていよう。
- 持ち株が暴落(ぼうらく)しはじめた、三十六計逃げるに如かず、早めに売って損失を最小限にしよう。
- 三十六計逃げるに如かず、無理な戦いをしても何の得もない、悔しいけいれど間合い(まあい)を切って、相手の様子をみよう。
「三十六計逃げるに如かず」の文学作品などの用例
詮吉の仲間の男で、それは下宿していた家の娘に信用され、直接結婚を申し込まれたという話があった。その男は、個人的な関係から大事が壊れるといけない、三十六計逃げるにしかずと、怱々に引越してしまった。(宮本百合子の聟より)
まとめ
三十六計逃げるに如かずと分かっていても、そう簡単に行動に移すことはできません。個人や組織の立場、地位や面子(めんつ)、時には欲望や物事への執着(しゅうちゃく)がそれを困難にします。困難なことですから、うまく逃げて再起を果たしたこと、逃げることができずズルズルと最悪な結果に陥ったことが歴史上の大きな節目(ふしめ)の記録や教訓として残っています。