【ことわざ】
三尺下がって師の影を踏まず
【読み方】
さんじゃくさがってしのかげをふまず
【意味】
先生につき従ってゆくときには、先生を敬う心がけを忘れずに、先生から三尺下がって歩き、先生の影を踏むようなことがあってはならないよう説いたことば。
弟子は先生を敬い、礼儀を尽くすようにしなさいという教え。
【語源・由来】
もとは仏教の作法であり、師僧(しそう)に従って歩くときの心得(こころえ)で、本来は、「七尺去って師の影を踏まず(しちしゃくさってしのがげをふまず)」という。
【類義語】
師弟となって七足去る(していとなってしちそくさる)
【英語訳】
正式な英語訳はありません。一例として A student must never forget to honor their teacher. という訳があります。
「三尺下がって師の影を踏まず」の使い方




「三尺下がって師の影を踏まず」の例文
- 監督が来るまで待ちましょう。三尺下がって師の影を踏まず、親しくても礼は忘れないようにしましょう。
- 課長の行動を見習った方がいいでしょう。常に謙虚(けんきょ)に三尺下がって師の影を踏まず、なかなかできないですよ。
- 礼というものは形だけではありません。三尺下がって師の影を踏まずというのは心の持ち方を示しているのです。
- 三尺下がって師の影を踏まずといいます。教えをいただく人に対しては礼儀を忘れないようにしましょう。
まとめ
今はとても難しい時代です。会社でも学校でも上司や先生は友達のような存在です。厳しく接すると会社を辞めてしまう可能性が高く、学校では教師からのいじめとも取られかねません。先輩や上司を無条件で尊敬するというような昭和的な発想は歴史的遺産のようなものとなりました。古い人からすればひどい世の中になったとおもうでしょうし、若い人からすれば、まだ面倒くさい風習みたいなものが多く残っていると感じていることでしょう。どちらも正しく、どちらも間違った考え方をしている部分があります。メディアやSNSなどで情報は氾濫し、感情的表現が増えていますが、人と人が顔を見ながらコミュニケーションを取ることは人間という生き物としての基本です。お互いを思いやる心、お互いに三尺下がって師の影を踏まず、礼がコミュニケーションの潤滑油になるのではないでしょうか。