「大巧は拙なるが若し」の意味(語源由来・出典・類義語・対義語・英語訳)
【ことわざ】
大巧は拙なるが若し
【読み方】
たいこうはせつなるがごとし
【意味】
本当の名人は、小細工をしないので、少し見ただけでは下手に見えるということ。
そういうのって、実はすごい技術がいるんやろな。地味やけど、その奥深さがええってことやな。
【語源・由来】
「大巧」とは、とてもにたくみであること。
「拙」とは、上手ではない、つたないということ。
【出典】
「老子」。「大直は屈するが若く、大巧は拙なるが若く、大弁は訥なるが若し真にまっすぐな者は一見曲がっているように見えて、真に巧みな者は一見下手なように見えるし、真に雄弁な者は一見訥弁なように見える」とあることに基づいているとされる。
【類義語】
・大賢は愚なるが如し(たいけんはぐなるがごとし)
・大智は愚の如し(たいちはぐのごとし)
・大欲は無欲に似たり(たいよくはむよくににたり)
・能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)
・深い川は静かに流れる(ふかいかわはしずかにながれる)
【対義語】
・空き樽は音が高い(あきだるはおとがたかい)
・浅瀬に仇波(あさせにあだなみ)
【英語訳】
The wise man often must play the fool.
Extremes meet.
And he is oft the wisest man who is not wise at all.
「大巧は拙なるが若し」の解説
「大巧は拙なるが若し」という表現は、「老子」の四十五章に由来し、真の名人や達人は独自の技術や方法をあまり誇示しないため、一見すると不器用や拙いように見えることがあるという意味のことわざなんだ。
この言葉は、本当に巧みな技術や能力を持つ人は、その技術を派手に見せることなく、むしろ単純で自然な方法で物事を成し遂げるという観察に基づいているんだ。彼らの動作は派手さや華やかさに欠けるかもしれないが、実際には高度な技術や深い理解がそれには含まれている。つまり、真の名人はその技術を無駄に使わず、必要最小限の動きで最大の効果を生み出すということなんだ。
「大巧は拙なるが若し」は、本当の技術や才能の深さは外見上の派手さや複雑さではなく、その結果や効果によって測られるという考えを表しているんだ。それは、真の達人は自己の技術を誇示することなく、その技術を自然かつ効果的に用いるというメッセージを伝えているんだね。このたとえは、外見上の単純さや控えめさが、実際には深い技術や知識に裏打ちされた質の高い行動であることを強調しているんだ。
「大巧は拙なるが若し」の使い方
「大巧は拙なるが若し」の例文
- 大巧は拙なるが若しというけれど、彼が作った鍋はいつまでも長持ちすると評判だ。
- 彼女の作品はとても素朴な柄だけど、難しい技術を駆使している。大巧は拙なるが若しということだ。
まとめ
大巧は拙なるが若しというように、真の名人はちょっと見ただけでは、わからないものなのかもしれませんね。