「徳に在りて険に在らず」の意味(出典・故事)
【ことわざ】
徳に在りて険に在らず
【読み方】
とくにありてけんにあらず
【意味】
国が安泰であるかどうかは、地形の険しい要害次第ではなく、君主の徳で人民を従わせることができるかどうかである。
「徳に在りて険に在らず」ということわざは、国が平和かどうかは、地形や要塞が強固かどうかよりも、君主の良い性質や品格によって、人々が忠誠を持って従うかどうかが大事だという意味だよ。
ほぉ~、つまり、国の安全ってのは、山や谷が険しいかどうかよりも、トップの人がどれだけ心が広くて、良い人かが大事ってことやな。
地の利よりも心の持ちようが大切やってことやね!これは深いな~。
【出典】
「史記」
【故事】
中国魏の武侯は西河を船で下っている時、兵法家の呉起に向かって「美なるかな、山河の固め、これ魏国の宝なり」と言った。これに対して呉起が「徳に在りて険に在らず」と答えたという。
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「徳に在りて険に在らず」の解説
カンタン!解説
「徳に在りて険に在らず」っていう言葉はね、国が安全であるかどうかは、山や川などの自然な防御地形だけが決めるわけじゃなくて、その国のリーダーが持っている「徳」、つまり良い心や性格によって、人々がそのリーダーについていくかどうかが大事だってことを教えているんだよ。
昔々の中国の話に、ある王様がきれいな山や川を見て、「この景色はすごく綺麗だね!これが私たちの国の宝だよ」と言ったことがあるんだ。でも、賢い人(呉起っていう人)がその王様に「それも大切だけど、もっと大事なのはあなたの心や性格、つまり徳ですよ」とアドバイスしたんだ。
だから、このことわざは「自然の防御や美しさも大切だけど、リーダーの心や性格がもっと大切」ということを伝えているんだよ。国の安全や発展は、リーダーが人々の信頼や尊敬を得られるかどうかにかかっているという教えが込められているんだね。
「徳に在りて険に在らず」の使い方
険しい山に囲まれていて、誰にも攻め込まれなさそう。
徳に在りて険に在らずっていうけど、信望のないバカ殿様のせいで攻め込まれたんだよ。
こんなに立地が良いのにね。
信望が厚くないとだめなんだよね。
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「徳に在りて険に在らず」の例文
- 難攻不落の城といわれようとも、徳に在りて険に在らずといい、為政者の徳がないと国の安泰は守られない。
- 島国だったゆえに、長い間他国に攻め込まれることがなかったが、徳に在りて険に在らずというように、徳がない君主だと国民は国を見限り弱体化する。
- 徳に在りて険に在らずというので、首相は徳を高め支持率アップを図った方がいい。
- 国が安泰かどうかは、徳に在りて険に在らずだ。政治家次第だが、今の日本の政治家は徳も質も低いので、国家の危機だ。
- 自然の要害に守られていようとも、徳に在りて険に在らずのごとく、政治家の徳がないと、国民の反発を招き内部崩壊する。