「爪で拾って箕で零す」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
爪で拾って箕で零す
【読み方】
つめでひろってみのでこぼす
【意味】
辛苦して貯えたものを濫費してしまう。
せっかくの苦労が一瞬でパーになるって、考えただけで怖いわ。ちゃんと計画的に物事を進めなあかんってことやな。
【語源・由来】
爪先で一つずつ拾い集めてためたものを、箕で一気に全てこぼす意から。
【類義語】
・針で掘って鍬で埋める(はりでほってくわでうめる)
・枡で量って箕でこぼす(ますではかってみのでこぼす)
・耳掻きで集めて熊手で掻き出す(みみかきであつめてくまででかきだす)
【英語訳】
Narrow gathered, widely spent.(少しずつためて湯水のごとく使い果たす)
「爪で拾って箕で零す」の解説
「爪で拾って箕で零す」という表現は、小さな努力で少しずつ集めたり蓄えたりしたものを、一度に無駄遣いしてしまうことをたとえた言葉だよ。
このことわざでは、「爪で拾う」というのは、非常に小さいものを丁寧に、一つ一つ手間をかけて集めることを意味しているんだ。つまり、小さな努力や節約を重ねて少しずつお金や物を蓄える様子を表しているんだね。
一方で、「箕で零す」とは、箕(み)という大きな器を使って、一度にたくさんのものを落としてしまうことを意味しているんだ。つまり、苦労して集めたものを、無駄遣いや浪費で一気に失ってしまう様子を表しているんだよ。
たとえば、長い間節約してお金を貯めたけれども、高価なものを一つ買うことで一気にお金がなくなってしまうような状況を、「爪で拾って箕で零す」という言葉で表現することができるんだ。
このことわざは、節約や努力で蓄えたものを大切にし、無駄遣いをしないように気をつけるべきだという教えを含んでいるんだね。
「爪で拾って箕で零す」の使い方
「爪で拾って箕で零す」の例文
- 辛抱(しんぼう)して貯金してきたけど、いざ買う時になったら、爪で拾って箕で零すみたいで不安になりました。
- やっとの思いで資産を増やしてきたのに、爪で拾って箕で零すように今回の不況であっという間になくなりました。
- みんなで大切に集めた資料だったのに、洪水で流されました。爪で拾って箕で零した思いです。
- 爪で拾って箕で零すか、自分で貯めた財産じゃないからできるのでしょう。もったいない話です。
まとめ
大なり小なり誰でも爪で拾って箕で零した経験があるはずです。そうして良かった思ったことより、後悔(こうかい)した方が多いのではないでしょうか。それでも繰り返さなければ良いのですが、愚(おろか)にもくり返すことがあるのです。