「角を矯めて牛を殺す」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
角を矯めて牛を殺す
【読み方】
つのをためてうしをころす
【意味】
少しの欠点を直そうとして、その手段が度を過ぎ、かえって物事全体をだめにしてしまうこと。
これは、ちょっとしたことにこだわりすぎて、大事なことを見失わへんようにしようってことやろな。
【語源由来】
角の格好が悪いからと、曲がった角を無理に叩いたり引っ張ったりすれば、肝心の牛は弱って死んでしまうかも知れないことから。
【類義語】
・技を矯めて花を散らす(えだをためてはなをちらす)
・葉をかいて根を絶つ(はをかいてねをたつ)
・下手な治療は病気より悪い(へたなちりょうはびょうきよりこわい)
【英語訳】
The remedy may be worse than the disease.(治療が病気より悪いこともある)
「角を矯めて牛を殺す」の解説
「角を矯めて牛を殺す」っていうのはね、直訳すると、「曲がった角をまっすぐにしようとしたら、逆に牛を死なせてしまった」っていう意味になるんだよ。
つまり、このことわざは、「無理に物事を変えようとすると、逆に大事なものを失ってしまう」という教えを伝えているんだ。自然の中で生き抜くために、牛は曲がった角を持っている。それを無理にまっすぐにしようとしたら、結局は牛を傷つけてしまう、っていうわけ。
だから、このことわざは、自然のままの姿や、自分自身の特性を大切にしながら生きることの大切さを教えてくれるんだよ。無理に他人に合わせたり、周りの期待に応えようとすると、結局は自分自身を傷つけてしまうことになるかもしれない、っていう警告のようなものだね。
「角を矯めて牛を殺す」の使い方
「角を矯めて牛を殺す」の例文
- 自分の悪いところだけを見て、それを直すことにストレスを感じていると、角を矯めて牛を殺すことと同じになってしまします。うぬぼれるのはよくないけれど、自分の良い点を伸ばすことが大切です。
- 業績が悪いのは海外投資が足を引っ張ったことなのは明白です。だからといってグローバル化への挑戦をやめてしまうのは、角を矯めて牛を殺すことになります。
- 不得意な科目にとらわれていると、角を矯めて牛を殺して全体の成績が伸びません。そこは忘れて得意な科目に集中して、それを補(おぎな)うようにしていれば結果的には成績が伸びていきます。
- 子供をしかるばかりでは、角を矯めて牛を殺すことになってしまいます。うまくおだてることによって、その子の意外な能力を引き出すことができます。
まとめ
子供のころ、無理やり左利きを直されたことがある人がいました。結果的には、字を書けば汚いので書道をやめて、得意だった絵も描かなくなったそうです。左利きのままでいればどんな牛になったのでしょうか。有名な小説家、世界的な画家になっていたかもしれません。なれなくても書道や絵画を趣味として楽しめた可能性はありますね。