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「忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず」の意味(語源由来)
【ことわざ】
忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず
【読み方】
ちゅうならんとすればこうならず、こうならんとすればちゅうならず
【意味】
主君に忠義を尽くそうとすれば親に逆らうこととなり孝行できず、親に孝行しようとすれば主君に背くことになり不忠となる。大切な二つのものの板ばさみになって進退きわまった状態のたとえ。
それぞれの立場で一生懸命になることが、かえって他の大切なことを犠牲にすることになるなんて、なんとも難しい問題やな。どっちも大事にできるように、うまくバランスをとるのがええんやろな。
【語源・由来】
平重盛が、父の清盛と朝廷との間で苦悩したときの言葉。
「忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず」の解説
「忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず」という言葉は、日本の歴史上の人物である平重盛が父の清盛と朝廷との間で苦悩した際に発したものとされているんだ。この表現は、人が忠義と孝行の間で深い葛藤を抱える状態を示している。
ここでいう「忠」とは、主君や上司、国など、外に対する忠義や忠誠のこと。一方、「孝」は親や家族に対する敬愛や尊敬、つまり孝行のことを指しているんだ。
この言葉は、忠義を尽くそうとするあまり親に逆らってしまい、結果として孝行できなくなる状況や、逆に親に孝行しようとして主君や国に背くことになり、不忠となってしまうような状況を表している。要するに、人がこれら二つの大切な義務の間で板挟みになり、どちらかを選ばざるを得ないときの葛藤や苦悩を象徴しているんだ。
この表現は、特に忠義と孝行のどちらも重んじられる文化や社会において、個人が直面する道徳的なジレンマや内面的な葛藤を深く表現するものとして使われる。それは、人生での厳しい選択や、道徳的な判断を迫られる状況において、どのように行動すべきか、その難しさを示しているんだね。
「忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず」の使い方
「忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず」の例文
- 忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず、社長派につくべきか、恩がある専務派につくべきか。
- 忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず、上司の不正を見逃せば組織を裏切ることになるし、不正を告発すれば上司を裏切ることになる。
- 忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず、 父と育ての親である祖父の意見の狭間で悩んでいる。
- 忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず、僕を指導してくれた空手教室の先生の意見を聞くか、空手部の顧問の先生の意見を聞くか、答えが出ない。
- 忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず、私をここまでの地位に押し上げてくれたプロデューサーに従うか、所属するプロダクションに従うか・・・。
主君への忠誠を果たそうとすると親に対する孝行が犠牲になり、逆に親への孝行を果たそうとすると主君への忠義が犠牲になるんだけど、どちらも大切なのに、時には相反する選択を迫られる難しい状況を示しているよ。