「烏合の衆」の意味(出典・故事・類義語)
【ことわざ】
烏合の衆
【読み方】
うごうのしゅう
【意味】
規律も統制もない群集。
秩序のない人々の集まりや軍勢にいう。烏の群れが無秩序でばらばらであることから。
たとえば、様々な理由で集まった人々が、特定のリーダーシップや共有の目標なしに行動している場合、その集団は「烏合の衆」と言えるんだよ。
【出典】
「後漢書」の中の「今東帝無尺寸之柄、驅烏合之眾、跨馬陷敵、所向輒平」
【故事】
東帝(劉秀)が王郎と戦う事になりましたが、敵は兵の数が多いため、東帝は王郎を倒せるか心配になりました。すると部下が「王郎は烏合の衆を集めただけだから、この戦は勝てますよ」と言って東帝を励ましました。そこから、統率のない群衆や軍勢をあざけて、烏合の衆と呼ぶようになりました。
【類義語】
・瓦合の衆
・有象無象
・付和雷同
・群衆
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「烏合の衆」の解説
カンタン!解説
「烏合の衆」っていう言葉の元々の意味は、からすの集団のことなんだ。からすは、鳥の中でもちょっと規律がなくて、集まってもただガヤガヤと騒いでいるだけなんだよ。だから、この言葉は規律がなくて、バラバラな集団のことを指すようになったんだ。
「烏合の衆」の使い方
明日はうちの学校の野球部が、隣の学校の野球部と試合をするわね。
楽しみだよね。敵は去年まではものすごい強かったけど、強い部員がみんな卒業しちゃったから、今年は楽勝だね。
そうね。全然まとまりがなくなったって聞いているし、チームプレーが悪くなったみたい。
烏合の衆になったってことだね。
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「烏合の衆」の例文
- 我が軍が到着した時にはすでに実戦経験のない味方部隊は烏合の衆と化していた。私の恐れていたことが現実になってしまった。
- 農民ばかりを集めた1000人の烏合の衆よりも、歴戦の猛者を100人集めた軍勢の方が絶対に有利なのはわかりきった事だった。
- 烏合の衆をもって我がチームに勝とうとするのか。それは愚かな行為と言うしかあるまい。
- ひとりのプレイヤーに頼りっきりだったこのオンラインゲームでは、そのプレイヤーが退会したことで残ったプレイヤーは烏合の衆となり、敵に立ち向かうことが難しくなった。
- 敵は一見するとバラバラに動いていて烏合の衆にも思えるが、実際は緻密に計算した動きをしている事に私は気が付いた。
- 私はこの戦に勝ち目はないから今すぐ撤退をするべきだと進言したが、将軍は敵城主の首を取れば残りは烏合の衆だから大丈夫だと言い張って聞かなかった。
「烏合の衆」の文学作品などの用例
軍には将がなければならず、武士には主君がなければならぬ。行動の中心に正義と報国を奉じ、個々の中心に、主君を持たないでは、それは徒党の乱に終り、烏合の衆と化してしまう。(吉川英治の三国志より)
「烏合の衆」を英語で言うと?
「烏合の衆」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
The mob has many heads but no brains.
- 意味:暴徒には頭がたくさんあるが、脳味噌はまったくない。
この言葉は、特に規律や統制が欠けていて、方向性がバラバラの集団に対して使われることが多いんだ。