【ことわざ】
瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよ
【読み方】
うりのかわはだいみょうにむかせよ、かきのかわはこじきにむかせよ
【意味】
瓜の皮は厚くむき、柿の皮は薄くむくのがよいという教え。


【英語】
・Horses for courses(人にはそれぞれ向いた仕事や役目がある)
【類義語】
・魚は殿様に焼かせろ、餅は乞食に焼かせろ(さかなはとのさまにやかせろ、もちはこじきにやかせろ)
「瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよ」の語源・由来
「瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよ」は、瓜と柿とでは、おいしく食べるために適した皮のむき方が異なることを、対照的な人物に結び付け、覚えやすくしたことわざです。
瓜は、皮に近い部分が硬く、味もよくないため、皮を厚めにむくのがよいとされます。果肉を惜しんで薄くむくと、硬い部分が残り、食べにくくなります。
一方、柿は皮に近い部分にも甘みがあるため、皮を薄くむくのがよいとされます。厚くむけば、食べられる甘い果肉まで多く取り除くことになります。
前半に登場する大名は、ここでは小さなことにこだわらず、ゆったりとした鷹揚(おうよう)な人の象徴です。そのような人なら、果肉を少し多く削ることを気にせず、瓜の皮を厚くむくという見立てです。
後半の乞食は、食物や金銭を人から恵んでもらって暮らす人を指す古い言葉です。このことわざでは、わずかな果肉も無駄にしないよう物惜しみする人の象徴として、柿の皮を薄くむく役に置かれています。
ただし、大名や乞食が実際に、すべてそのような性格だという意味ではありません。身分の両極にいる人物を対照させ、それぞれのむき方を印象深く覚えさせるための、古い時代のたとえです。
「剝かせよ」は、「その人にむかせるのがよい」と勧める形です。単に「瓜は厚く、柿は薄くむけ」と言うよりも、大名と乞食の姿を登場させることで、調理の違いが記憶に残りやすくなっています。
このことわざが教えるのは、何でも同じ方法で扱えばよいわけではないということです。瓜には瓜に合ったむき方があり、柿には柿に合ったむき方があるため、相手や物の性質に応じて方法を変える必要があります。
語順を入れ替えた「柿の皮は乞食に剥かせ、瓜の皮は大名に剥かせよ」という形も伝わっています。どちらの形でも、柿は薄く、瓜は厚くむくという内容は変わりません。
また、「瓜の皮は厚く剝け梨の皮は薄く剝け」という近い言い方もあります。人物のたとえを用いず、果物ごとに皮の厚さを変えるという教えを、そのまま言い表した形です。
よく似た組み立てのことわざに、「魚は殿様に焼かせろ、餅は乞食に焼かせろ」があります。魚はあまり動かさずに焼き、餅は何度も返しながら焼くのがよいとして、二つの仕事を異なる人物に割り当てています。
このような言い方には、食材ごとの調理法を教えるだけでなく、物事には向き不向きがあり、適した人や方法を選ぶことが大切だという考えが込められています。料理の知恵を、暮らしや仕事にも通じる教えへと広げたことわざです。
「瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよ」の使い方




「瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよ」の例文
- 母は果物の皮をむく子どもに、瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよと教えた。
- 瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよというから、瓜の硬い部分は厚めに取り除いた。
- 栄養教室では、瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよを例に、食材に合った調理法を学んだ。
- 料理人は新人に、瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよと話し、皮の厚さを使い分けさせた。
- 部長は仕事の分担について、瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよの考え方が大切だと語った。
- 瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよは、物の性質に応じて扱い方を変える知恵を表す。
主な参考文献
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・公益財団法人日本漢字能力検定協会編『漢検 漢字辞典 第二版』日本漢字能力検定協会、2014年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・Oxford University Press『Oxford Advanced Learner’s Dictionary, 10th Edition』Oxford University Press、2020年。























