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「善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや」の意味(出典)
【ことわざ】
善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや
【読み方】
ぜんにんなおもておうじょうをとぐ、いわんやあくにんをや
【意味】
善人が極楽往生できるなら、まして悪人は尚更往生できるということ。自分を善人と思いながら善行をする人間より、悪人であることを自覚して阿弥陀仏にすべてをゆだねる人間の方が極楽に近いという考え(悪人生機説)。
これは、誰もが救いを得る資格があることを教えてくれてるわけやな。
【出典】
「歎異抄」
「善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや」の解説
「善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや」という表現は、親鸞が著した「歎異抄」に由来する言葉で、仏教における往生の教えを説明しているんだよ。この言葉は、他力(仏の力)に頼ることを重視する浄土真宗の教えを表しているんだね。
この表現の意味は、「善人であっても往生を成し遂げることができるのだから、悪人であっても往生できるはずだ」ということなんだ。ここでの「往生」とは、仏教において極楽浄土へ生まれ変わることを意味しているよ。「善人なおもて往生を遂ぐ」とは、善行を行う人でさえも、自分の力だけではなく、阿弥陀仏の他力に依存して往生を果たすということを示しているんだ。
そして、「況んや悪人をや」という部分は、「それならば、より一層悪行に苦しみ、他力を全面的に頼ることを願う悪人が往生できないはずがない」という意味なんだよ。この言葉は、仏の救いがすべての人々に等しく開かれているという浄土真宗の教えを表していて、自分の行いに関わらず、阿弥陀仏の願いによって救われることを示しているんだね。この教えは、慈悲深い仏の救済が、善人だけでなく悪人にも等しく及ぶことを強調しているよ。
「善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや」の使い方
「善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや」の例文
- 人間だれしも悪人で完全なる良い人は存在しないが、善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をやというように信仰によって悪人でも救われる。
- 善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をやといい、生きとし生けるものすべてが救われる。
- 人を妬んだり憎んだり、誰しも少しは常日頃から抱く感情で、人は悪を抱く善人だ。だから、善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をやというように、人の本質は善だが悪も抱くことを自覚していれば救われる。
- 生きるということは少なからず誰かを傷つけ貶め続ける。善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をやといい、そんな愚かな人間でも仏さまは救ってくださる。
- 善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をやというから不正三昧でもいいというわけではない。人の本質は善だが、無意識に人を害することもある。そういう悪と向き合って初めて救われるということだ。
これは、鎌倉時代の日本の僧、親鸞の教えから来ているんだ。