「糠に釘」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
糠に釘
【読み方】
ぬかにくぎ
【意味】
何の手応えも、効き目もないことのたとえ。
まあ、糠に釘を打ってもな、釘はちゃんと刺さらへんやろ?それと一緒で、効果のないことをやったら、時間ばっかりが過ぎて、結局何も得られへんわけや。これは、無駄なことはやらん方がええって教えてくれてるんやな。
【語源由来】
フワフワの糠に釘を打ち込んでもすぐに抜けてしまうことから。
「上方いろはかるた」の中の「ぬ」
「糠」とは、主にぬか漬けの「ぬか床」として使われ、この場合は「糠味噌」とも呼ばれますが、ことわざに使う場合には用いられません。
【類義語】
・豆腐にかすがい
・沢庵のおもしに茶袋
・土に灸
・泥に灸
・石に灸
・石に針
・生壁の釘
・沼に杭
・大黒柱と腕押し
・暖簾と臑押し
・暖簾と相撲
・暖簾に腕押し
「糠に釘」の解説
「糠に釘」っていうことわざはね、本当に糠(これは米を磨いた後に残るふわふわした部分のことだよ)に釘を打つことから生まれた表現なんだ。
糠はふわふわしていて、感触はさらさらでほんわかしているんだよ。だから、想像しただけで分かると思うけど、そんなふわふわした糠に釘を打っても、釘はちゃんと刺さるどころか、糠に吸い込まれてしまうような状態になっちゃうんだ。
木とか、ちょっと硬いものなら釘を打つことができるけど、糠のような柔らかくて形が固定されていないものには、いくら釘を打っても全然意味がないんだよ。
だから、「糠に釘」っていうことわざは、その糠に釘を打つ様子を見て、「全然効果がない」や「全然意味がない」という意味を表すようになったんだよ。それが「糠に釘」っていうことわざの語源で、その意味なんだね。
「糠に釘」の使い方
「糠に釘」の例文
- 日銀が本日単独で市場介入したため、外国為替市場が急激に円安ドル高になったが、それは一時的なもので、市場はすぐに元に戻ってしまった。これでは糠に釘である。
- さぼることしか考えていない社員にいくら注意しても糠に釘で、真面目に働こうとはしない。
- 弟は家に帰るとゲームばかりしている。お母さんがいつも「少しは勉強をしなさい。」と言うが、糠に釘だ。
- 仕事が長続きしない彼にいくらアドバイスをしてもまったく進歩がなく糠に釘なので、私はもう彼と結婚するのは諦めて他の男性と付き合うことにした。
- 仕事から帰ってきた主人に、靴下を玄関で脱いでそのままにするのは止めてほしいと、いくらお願いしても糠に釘で、まったく止めてくれない。
- 学校から帰ってきた子供に、先に宿題をやってから遊びなさいと毎日毎日注意しているけど、糠に釘でまったく言う事なんて聞かない。
「糠に釘」を英語で言うと?
「糠に釘」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
All is lost that is given to a fool.
- 意味:愚かな人に与えられるものはみなむだになる。
having no effect
- 意味:効果がない
Hammering a nail into rice bran.
- 直訳:糠に向けて釘を打つ。
- 意味:何の意味も成さない。
Bolt the door with a boiled carrot.
- 直訳:茹でたニンジンで戸締りする。
- 意味:何の意味もない。
plow the sand
- 直訳:砂を耕す
- 意味:無駄骨を折る
Driving a stake into sawdust.
- 直訳:おがくずにくいを打ち込む。
- 意味:何の効果もなく無駄になる。
糠に釘を打っても何も得られないように、無駄な努力は結果を生まないという警告が込められているんだ。