「春秋の筆法」の意味
【ことわざ】
春秋の筆法
【読み方】
しゅんじゅうのひっぽう
【意味】
孔子の編集によるといわれる『春秋』(五経の一つ)に見られるような厳しい批判的態度による論法。さらに、間接的な原因を直接的な原因として表現し、真理をつくやり方。
事実だけでなく、それに対する評価や批判も含めて書くってことやね。歴史の記述も、書き手の見解が影響するんやな。書き方一つで、伝えられる内容がずいぶん変わるもんやね。
「春秋の筆法」の解説
「春秋の筆法」という言葉は、古代中国の史書「春秋」の記述スタイルを指していて、事実を述べる際に価値判断を加える書き方を意味しているんだよ。この「春秋」は孔子によって編纂されたとされ、その中での出来事の記述には孔子の道徳的、倫理的な判断が反映されているとされているんだ。
「春秋の筆法」は、特に間接的な原因を結果に直接結びつけて厳しく批判する方法を指しているんだ。たとえば、ある事件や出来事が起こったときに、その原因や背景に道徳的な意味を与え、それを通じて社会や人物を評価するような書き方がこれに当たるね。
この表現は、ただ事実を記述するだけでなく、その事実に対する評価や意味を加えることの重要性を示しているんだ。文章を通して道徳的な教訓を伝えたり、社会的な批評を行ったりすることの意義を表す言葉なんだね。
「春秋の筆法」の使い方
「春秋の筆法」の例文
- 春秋の筆法をもって感想を言わせてもらえば、君の文章はもっと推敲(すいこう)したほうがいい。
- 浅野の遺臣等の憤りは、不公平な裁定に対する抗議だったから、春秋の筆法をもってすれば、吉良を倒したのは将軍であるといえる。
- 海外での日本人の人質事件について、春秋の筆法をもってすれば、この事件は当時の政権がまいた種によるものと思う人が少なくなかった。
- 春秋の筆法をもってすれば、今回の不祥事が、組織の低下しきっていたモラルの向上を促したとも言える。
- 春秋の筆法をもってすれば、あのtwitterが、後の大きな事件を起こすきっかけとなったと思う。
「春秋の筆法」の文学作品などの用例
また、太平記的な、春秋の筆法では、この合戦中にも、いろんな奇瑞や天変があったとしている。たとえば八幡大明神の加護が見えたとか、奇鳥の群れがお座所の上をめぐったとか、事毎、奇を謳ッているのであるが、じつは人心が幕府を見かぎり出した兆以外なものではない。(吉川英治の私本太平記より)
作者の立場や価値観が間接的に反映される書き方として知られているんだ。