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「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の意味(語源由来・類義語)
【ことわざ】
喉元過ぎれば熱さを忘れる
【読み方】
のどもとすぎればあつさをわすれる
【意味】
どんな苦痛や苦労も、それが過ぎると、その苦痛も苦労も忘れてしまうということ。また、苦しい時に助けてもらった恩や恩人を、楽になったら人は簡単に忘れてしまうという戒めの意味もある。
それと同じで、時間が経つと苦しかった経験や、人から受けた恩も忘れてしまうことがあるんやな。これは、感謝の気持ちや辛い経験を忘れずに、それから学ぶことの大切さを教えてくれる言葉やな。
【語源由来】
熱いものを飲み込んだとき、熱いのは、喉を通るときだけで、おなかに入ってしまえば熱さを忘れてしまうことから。
【類義語】
・病治りて医師忘る
・病治りて薬師忘る
・暑さ忘れて陰忘る
・雨晴れて傘を忘れる
・魚を得て筌を忘る
・難産色に懲りず
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の解説
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」っていう言葉は、文字通りだと「熱いものを飲んでも、飲み込んでしまえばその熱さをすぐに忘れる」っていう意味なんだ。
でもね、これがちょっと変わって、「辛かった経験も、それが終わってしまえばその辛さを忘れてしまう」や「困ってる時に誰かに助けてもらったのに、そのことが終わってしまうとその恩を忘れてしまう」っていう意味でも使われるんだよ。
だから、時間が経つと「苦労した経験」や「人から受けた恩」を忘れてしまう人のことを指すこともあるんだ。またね、辛い経験をしたけど、その経験を生かすことができなかった人のこともこのことわざで表すことができるんだよ。
そしてね、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」は、江戸時代のいろはかるたの「の」の部分にもなっているんだよ。だからこのことわざは、日本の文化の中でも非常に古くから使われてきたものなんだね。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の使い方
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の例文
- 株で2000万円の大損をした友人だったが、喉元過ぎれば熱さを忘れるで、今度こそは大儲けするぞと意気込んでFXを始めた。
- 弟はパチンコで大敗してもう二度とパチンコにはいかないといっていたが、三日後にはまたパチンコをうちにいっていた。喉元過ぎれば熱さを忘れるとはこのことだ。
- 立て続けに3人の女性に告白して、全員に振られ落ち込んでいた同僚だったが、喉元過ぎれば熱さを忘れるなのか1週間もしないうちに4人目の女性に告白していた。
- 喉元過ぎれば熱さを忘れると言うが、ビジネスでそれをやると失敗から何も学ばない「無能な人間」というレッテルを貼られてしまう。
- 喉元過ぎれば熱さを忘れるというように、つらいことや苦しいこと、受けた恩などは、苦しい時がすぎると忘れてしまうのが人の性なのかもしれない。
- 今年で80歳になるおじいちゃんが1ヵ月前に車を運転中に事故を起こしてしまった。足を怪我して痛い思いをしたのでもう二度と車は運転しないと言っていたのに、喉元過ぎれば熱さを忘れるで怪我が治ったらもう車を運転していた。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」を英語で言うと?
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の英語表現をご紹介します。
※英語の声:音読さん
Danger past, god forgotten.
- 直訳:危険が過ぎると神様を忘れる。
- 意味:安全になると、祈っていた神様の存在を忘れてしまう。
There are no atheists in foxholes.
- 直訳:塹壕の中に無神論者はいない。
- 意味:危機にあっては神と向き合わざるを得なくなる。
When pain is gone, it’s soon forgotten.
- 直訳:痛みがなくなったら、すぐに忘れ去る。
- 意味:辛いことも終わってしまえば、すぐに忘れ去られる。
Once through the throat, the heat of boiling soup is gone.
- 直訳:一度喉を通ってしまえば、熱さのことは忘れてしまう。
- 意味:過ぎたことは簡単に忘れてしまう。
Vows made in storms are forgotten in calms.
- 意味:嵐のとき立てた誓いは、凪になれば忘れるもの。
これは、苦しい経験も時間が経つとその苦しさを忘れてしまうこと、または、人に助けられた恩を時間が経つと忘れてしまうという人間の心情を表しているよ。