【ことわざ】
乗り掛かった船
【読み方】
のりかかったふね
【意味】
一度関わった事、一度始めた事は、途中で止めるわけにはいかないという意味です。
【語源・由来】
乗った船が出航して岸から離れると、もう途中で降りることができない事が由来です。
一度始めた事で、途中どのような事情があっても、事態が変わっても、止めることができない時に使います。
一般的に「船」と書きますが、「舟」でもOKです。
【類義語】
・乗り掛けた船
・乗り出した船
・乗り掛かった馬
・渡りかけた橋
・騎虎の勢い
【英語訳】
・As long as one has come this far.
・He that is out at sea, must either sail or sink.
・In for a penny,in for a pound.
・To be fully involved. No half-measures.
・Past the point of no return.
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「乗り掛かった船」の使い方
学校の裏庭に猫が赤ちゃんを産んだんだって?
そう、私が見つけたんだけど、母猫がどこかに行ったきり戻って来なくて困ってるの。
放っておいたら子猫死んじゃうね。
乗り掛かった船だし、私が面倒を見ようと思うの。責任をもって全ての子猫に新しい飼い主さんを見つけるわ。
「乗り掛かった船」の例文
- ダメな男と別れることができない女性は、乗り掛かった船から脱出できない事が多い。難破しそうでもその船を見捨てることができないからだ。
- 同僚が企画したプロジェクトに参加したのだが、ライバル企業に比べるとどうにも旗色が悪い。乗り掛かった船と腹を決めたが、泥船である可能性もある。
- 2ヵ月も前から親友の恋愛相談に乗っていた私は、乗り掛かった船とばかりに、親友と男性が会えるようにお膳立てをしてあげた。
<間違った例文>
×乗り掛かった船だが、やむを得ない事情で中止にした。
途中で止める事には使えません。
×乗り掛かった船に乗っていこう。
×乗り掛かった船にはためらわず乗る。
×乗り掛かった船だが乗らない 。
これらは「乗りかかった」という言葉を「乗りかけている」と間違えています。
「乗りかかった船」=出航してしまった船。
「船に乗りかけている」=まだ出航していない船。