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【門松は冥途の旅の一里塚】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

門松は冥土の旅の一里塚

【ことわざ】
門松は冥土の旅の一里塚

【読み方】
かどまつはめいどのたびのいちりづか

【意味】
正月の門松はめでたいものだが、門松を立てるたびに一つ年を重ね、死に近づくしるしでもあるということ。

ことわざ博士
門松は冥土の旅の一里塚は、新年を祝う気持ちの裏に、命の限りを思う心を重ねたことわざだよ。
助手ねこ
正月、年齢、人生の無常、時間の流れについて、浮かれすぎずに考える場面で用いるニャン。

【英語】
・memento mori.(人は必ず死ぬことを思い出させるもの)

【類義語】
・生者必滅(しょうじゃひつめつ)
・無常迅速(むじょうじんそく)

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「門松は冥土の旅の一里塚」の語源・由来

ことわざを深掘り

「門松は冥土の旅の一里塚」は、正月を祝う門松と、人が死へ向かって歩む道のしるしである一里塚とを重ねた言葉です。門松は新年を迎えるめでたい飾りですが、正月を迎えることは一つ年を取ることでもあり、その分だけ死へ近づく、という見方を表しています。

「門松」は、正月に家の門口に立てる松飾りを指します。「冥土」は死後の世界、「一里塚」は昔の道で一里ごとに築かれた目印です。この三つを結びつけることで、正月の華やかさの中に、人生の限りを思う心をこめています。

このことわざは、「めでたくもありめでたくもなし」と続く一休宗純の狂歌として広く知られています。一休宗純は1394年から1481年に生きた室町中期の臨済宗大徳寺派の僧で、反骨精神に富み、大衆にも親しまれた人物です。

ただし、この歌の伝わり方には、いくつかの形があります。「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」とする形のほか、「元日や 冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし」と伝える形もあります。いずれも、正月を祝う心と、死へ近づくことを思う心の両方を含む表現です。

一休にまつわる説話を集めた『一休咄(いっきゅうばなし)』(1668年・江戸時代前期、編著者未詳)は、仮名草子として刊行された一休和尚の逸話集です。とんち話や奇行の話を多く含み、一休の人物像が後の時代に広く伝説化していくうえで大きな役割を果たしました。

その『一休咄』に関わる伝承では、一休が正月元日に髑髏(どくろ)を掲げて歩き、人々に無常を思い知らせる話がよく知られています。年の初めを祝って飾る人々に対し、一休は、どんな人もやがて死を迎えるという人生の真相を示した人物として語られます。

この伝承では、はじめから現在の形の歌が固定していたとは限りません。『一休咄』などの説話では、一休が骸骨を示して正月のめでたさを問い直す話があり、後の伝承の中で「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」という歌の形に入れ替わった場合が多いとする見方もあります。

また、一休の道歌として、「門松は冥途の旅の一里塚、馬賀籠もなく泊まりやもなし」と伝える形もあります。これは、死へ向かう旅には馬も駕籠もなく、途中で泊まる宿もないという意味で、門松を見て人生の終わりを思う点では、現在よく知られる形と同じ考えにつながります。

ことわざとしての古い用例には、風来山人、すなわち平賀源内の談義本『根無草(ねなしぐさ)』後編があります。『根無草』は1763年刊、『根無草後編』は1769年刊の江戸時代中期の作品で、世相を風刺する内容を含む読み物です。

『根無草』後編には、「されども人情の浅はかなる、門松は冥途の旅の一里塚とも気はつかで、無上に新春の御慶と寿き」とあります。これは、人は浅はかにも、門松が死へ向かう道のしるしであることに気づかず、ただ新春をめでたいものとして祝う、という文脈です。

この用例から、江戸時代中期にはすでに、この言葉が正月の祝いと人生の無常を重ねる表現として知られていたことが分かります。めでたい飾りである門松を、あえて死への道しるべに見立てるところに、このことわざの鋭さがあります。

近代にも、このことわざは人生観を述べる言葉として使われました。たとえば1925年の石川三四郎の文章には、「長成には死滅が伴う。門松は冥途の旅の一里塚に過ぎない」とあり、成長や年を重ねることの裏には死へ近づく面がある、という考えを表しています。

現在では、このことわざは、正月を暗く否定する言葉ではありません。新しい年を喜びながらも、時間は止まらず、命には限りがあることを忘れないようにする、静かな戒めの言葉として受け取られます。

「門松は冥土の旅の一里塚」の使い方

健太
もうすぐお正月だから、玄関に立派な門松が飾られたんだよ。
ともこ
わあ、お正月を迎える準備ができると、なんだかわくわくして嬉しくなるよね!
健太
でもね、おじいちゃんが、門松は冥土の旅の一里塚だから、めでたいばかりじゃないって言ったんだ。
ともこ
なるほど、お正月は嬉しいけれど、命の時間を大切に生きなきゃいけないっていう教えなんだね!
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「門松は冥土の旅の一里塚」の例文

例文
  • 祖父は正月の門松を見て、門松は冥土の旅の一里塚だと静かに語った。
  • 門松は冥土の旅の一里塚という言葉には、新年の喜びと人生の無常が重ねられている。
  • 父は誕生日を迎えるたびに、門松は冥土の旅の一里塚ということわざを思い出す。
  • 門松は冥土の旅の一里塚と聞いて、ただ年を祝うだけでなく、時間の重みも考えた。
  • 新年会のあいさつで、先生は門松は冥土の旅の一里塚を引き、今年を大切に生きようと話した。
  • 門松は冥土の旅の一里塚ということわざは、めでたさの中にも命の限りを忘れない心を教えている。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・新村出編『広辞苑 第七版』岩波書店、2018年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・松村明監修『デジタル大辞泉』小学館。
・奈良康明編著『仏教名言辞典』東京書籍、1989年。
・『一休咄』1668年。
・風来山人作『根無草』1763年。
・Cambridge University Press『Cambridge Advanced Learner’s Dictionary & Thesaurus』Cambridge University Press.





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