「対岸の火事」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
対岸の火事
【読み方】
たいがんのかじ
【意味】
他人にとっては重要な事でも、自分にとっては関係がないため、痛くも痒くもない事。
自分には関係ないと思ってても、他人の困ったことにも少しは心を寄せた方がええってことやね。みんなで助け合う気持ちが大事やな。
【語源・由来】
川の向こう岸で起きている火事は、こちら側の岸が燃える心配が無い事から。
【類義語】
・川向こうの火事
・川向いの喧嘩
・山門から喧嘩見る
・高みの見物
・向こう河岸の火事
【英語訳】
・The comforter’s head never aches.
・It has nothing to do with me.
・It’s somebody else’s problem.
こちらと混同して「他山の火事」と覚えないようにしましょう。
また、「危険が迫っているので注意をするべき」という意味で使うのは、誤りです。
「対岸の火事」の解説
「対岸の火事」ということわざは、文字通り川や何かの対岸で起こる火事を指し、その火事が自分には直接の影響を与えない、つまり自分には関係がないという意味で使われる表現なんだ。
この表現は、自分に直接的な影響がないために、他人の不幸や問題に対して無関心でいる状態や、それらを遠いところから冷静に、あるいは興味深く見る様子を示しているんだ。対岸の火事は自分の生活には直接的な害を及ぼさないため、人々がそれに対して急を要する対応を示さないことが多いんだよ。
このことわざは、人間が自己中心的になりがちで、自分に直接影響がなければ他人の問題に対して無関心でいることを批判的に示していることがあるんだ。また、自分に影響がない問題に対しては積極的に関わらないという人間の自然な傾向を表しているんだね。それは、人々が自分の安全や利益を最優先することが多いという人間の行動を反映しているんだ。
「対岸の火事」の使い方
「対岸の火事」の例文
- どうやらあの人達は大変だそうだが、自分にとっては対岸の火事だ。
- 今回の事故は対岸の火事、と油断してはならない。
- あの人は今回の出来事について、まるで対岸の火事かのような態度を取っている。
- 対岸の火事と知らんぷりをしていると、いつか痛い目にあうぞ。
- 外国での経済破綻は、日本にとっても決して対岸の火事ではない。
自分にとっての戒めとして使う場合が多くあります。
また、そういった使い方から、「自分に迫っている危機・危険」について使われてしまう場合もありますが、
それは誤りで、あくまで「自分には直接関係のないこと」を対象にしていますので、注意しましょう。
「対岸の火事」の文学作品などの用例
維新の革命も彰義隊の戦争も、凡て対岸の火事として安穏に過して来ました。(菊池寛のある恋の話より)