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【挨拶は時の氏神】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

挨拶は時の氏神

【ことわざ】
挨拶は時の氏神

【読み方】
あいさつはときのうじがみ

【意味】
争いごとが起きた時、仲裁してくれる人は氏神様のようにありがたいものだから、その仲裁には従うのがよいということ。

ことわざ博士
挨拶は時の氏神の「挨拶」は、日常の礼の言葉ではなく、仲裁や取りなしを表す古い意味での言い方なんだよ。
助手ねこ
けんか、口論、もめごとの場で、第三者が間に入って事を収めようとする場面に用いるニャン。

【英語】
・A peacemaker is a godsend.(仲裁してくれる人は、必要な時に現れるありがたい助けである)

【類義語】
・仲裁は時の氏神(ちゅうさいはときのうじがみ)
・時の氏神(ときのうじがみ)

【対義語】
・火に油を注ぐ(ひにあぶらをそそぐ)

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「挨拶は時の氏神」の語源・由来

ことわざを深掘り

「挨拶は時の氏神」は、もめごとや争いの場に入ってくれる仲裁者を、ありがたい神にたとえたことわざです。この言い方で大切なのは、「挨拶」を現在の「おはよう」「こんにちは」のような礼の言葉ではなく、争いの間に立つ「仲裁」の意味で用いている点です。

「挨拶」という言葉は、もともと「挨」が押すこと、「拶」が迫ることを表し、禅宗(ぜんしゅう)では問答によって相手の悟りの深さを試す意味で使われました。そこから、言葉のやりとり、応答、社交上の受け答えなどへ意味が広がっていきました。

中世から近世にかけて、「挨拶」は人と人との間を取り持つ意味でも使われました。たとえば『日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)』(1688年・江戸時代前期、井原西鶴著)には、世話や仲介に近い意味で「あひさつ」が出てきます。

さらに、近世には「挨拶」が、争いを収める「仲裁」や「調停」の意味でも使われました。浄瑠璃『八百屋お七』(1731年ごろ・江戸時代中期)には、不仲になった者たちの間に入って、どうにか仲を取り持とうとする文脈で「あいさつ致さう」という言い方が出てきます。

この古い意味を知らないと、「挨拶は時の氏神」を、よい挨拶をすると幸運が来るという意味に誤って受け取りやすくなります。しかし、このことわざでの「挨拶」は、争いの場を収める取りなしの働きを指します。

「氏神(うじがみ)」は、古くは氏族と関係の深い神や祖先神を指し、のちに村や地域を守る神の意味でも使われるようになりました。さらに、比喩として「救いの神」、特にけんかの仲裁者を指す意味も生まれました。

このことわざの「時の氏神」は、ちょうどよい時に現れて仲裁する人、またはその時にとって非常にありがたい人を表します。雑俳『智慧くらべ』(1868年)には「納って時の氏神拝まるる」という用例があり、よい時機に現れるありがたい存在という意味がうかがえます。

「挨拶は時の氏神」そのものの古い用例としては、歌舞伎『上総綿小紋単地』(1865年・江戸時代末期)三幕に「挨拶は時の氏神とやらお前も旦那もお腹立もござりませうが、わしが詞もちっとは立て」とあります。怒っている双方に向かって、仲裁する自分の言葉を少しは立ててほしいと頼む場面で使われています。

この古い用例では、ことわざの形がすでに現在とほぼ同じです。つまり、江戸時代末期には、争いの場で間に入る人をありがたい存在として受け入れるべきだ、という教えとして定着していたことが分かります。

また、「仲裁は時の氏神」という形も使われます。これは意味をより直接に表した言い方で、けんかや口論の際の仲裁は、氏神が現れたように好都合なものだから、その調停に従うのがよいという考えを示します。

このことわざは、ただ仲裁者をほめる言葉ではありません。争いは長引くほど意地や怒りが強まり、収めるのが難しくなるため、よい時機に入ってくれた人の言葉を大切にし、争いを終わらせるきっかけを逃さないようにする教えです。

現在でも、友人同士の口論、家庭内のけんか、仕事上の対立などで、第三者が落ち着いて間に入り、双方の気持ちをやわらげようとする場面に使えます。相手に不満が残っていても、争いを収める機会を大切にするという、人間関係の知恵を伝えることわざです。

「挨拶は時の氏神」の使い方

健太
学級新聞のイラストの担当をめぐって、僕と隣のクラスの友達でどっちが描くか言い争いになってしまったんだ。
ともこ
2人とも自分の絵を載せたいからって絶対に譲らなくて、放課後になっても教室で話し合いが平行線のままだったのよね。
健太
そこへ担任の先生がやってきて、2人の絵を両方組み合わせて表紙にしようって素晴らしいアイデアを出して解決してくれたんだよ。
ともこ
まさに挨拶は時の氏神だね!先生の仲裁に素直に従って、2人で協力して最高の学級新聞を作ろうよ。
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「挨拶は時の氏神」の例文

例文
  • 兄弟げんかが長引きそうになった時、祖母が間に入ってくれたので、挨拶は時の氏神と思って二人とも話を聞いた。
  • 会議で意見が対立したが、部長が冷静に調整案を出し、挨拶は時の氏神として場を収めた。
  • 友人同士の口論に担任が入ってくれたため、挨拶は時の氏神と受け止めて、互いに謝ることにした。
  • 町内会の話し合いが険しくなったところで年長者が仲裁し、挨拶は時の氏神の言葉どおりに全員が耳を傾けた。
  • 親子の言い争いが続いていたが、叔父の取りなしを挨拶は時の氏神として受け入れ、話し合いが進んだ。
  • 部活動の方針で先輩同士が対立した時、顧問の先生の仲裁を挨拶は時の氏神として尊重した。

主な参考文献

・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・平凡社編『改訂新版 世界大百科事典』平凡社。
・日外アソシエーツ編『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』日外アソシエーツ。





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