「尤めて之に効う」の意味(出典・故事)
【ことわざ】
尤めて之に効う
【読み方】
とがめてこれにならう
【意味】
他の人の過失や罪を批判しながら、自らも同じ過失をすること。
他人のことを指摘する前に、まずは自分のことをちゃんと見直す必要があるんやな。自分のノロノロした部分を見逃して、他人を批判するのは矛盾してるわな。
【出典】
「春秋左氏伝」
【故事】
中国春秋時代、晋の文侯が亡命から帰国して君主になり、今まで随従していた者たちに褒賞を与えた。臣たちは当然のように恩賞を受けたが、一緒に供をした介之推は申し立てもせず何も受けなかった。そして「わが君が君主になれたのは、人の力ではない。天がその地位につけたのだ。彼らは天の功労を奪って己の力だと考えている。君も臣下の過ちに気付かず褒賞を与えている」と言った。母が「お前も恩賞を願い出ればよいのに」と言うと、「尤めて之に効う、罪又甚だし」と言い、母を伴い山に隠れ住んだ。
「尤めて之に効う」の解説
「尤めて之に効う」っていう言葉は、他の人が間違ってることやダメなことを指摘しながら、自分も同じようなことをやってしまうことを指すんだよ。
この言葉の背景には、昔々の中国の話があってね。晋の文侯という王様がいたの。彼は亡命から帰ってきて、王様になったんだ。その時、彼をサポートしてきた人たちに感謝の気持ちを示すために、たくさんのご褒美を与えたよ。でも、一緒に彼を助けてきた人の中で、介之推っていう人がいて、彼は自分から何もお願いしなかったんだ。そして、文侯が他の人たちに感謝の気持ちを示していることを見て、王様は自分の意思ではなく、天の意思で彼らを助けたんだと言って、自分たちがしてきたことを他の人たちが自分たちの手柄だと考えていることを指摘したの。
介之推のお母さんが、彼に「君もご褒美をもらってきたら?」って提案した時、介之推は「他の人の間違いを指摘しながら、自分も同じことをするのはダメだよ」と言って、お母さんと一緒に山に隠れて住むことを選んだんだ。
この話から、「尤めて之に効う」っていう言葉は、他の人の間違いやダメな点を指摘しながら、自分も同じことをしてしまう、という意味で使われるようになったんだよ。
「尤めて之に効う」の使い方
「尤めて之に効う」の例文
- 野党は与党議員にヤジを飛ばすが、尤めて之に効うように、自分たちも似たようなことをしているのによくやるよ。
- 上司は遅刻した社員をこっぴどく叱ったが、尤めて之に効うごとく自分も遅刻した。
- 尤めて之に効うように、批判した人と同じ失敗をすることもあるから、人に優しく自分に厳しくありたい。
- 誰かの言動を批判しながら、自らも同じことをする、尤めて之に効うのは罪深い。
- 正義面をして人を批判するも、尤めて之に効うとは格好悪い。
要するに、他人の過ちを批判する前に、自分の行動を振り返るべきだという教えが込められているよ。