「錦を衣て夜行くが如し」の意味(出典・対義語)
【ことわざ】
錦を衣て夜行くが如し
「繍を衣て夜行くが如し」ともいう。
【読み方】にしきをきてよるゆくがごとし
【意味】
きらびやかな錦の着物を着ても、夜の道ではだれにも分からないように、立身出世しても故郷の人々に知られなければその甲斐がない。
なるほどなぁ。つまり、「せっかくの成功も、誰にも見せられなかったら意味がない」ってことやな。夜に立派な錦の服を着て歩いても、誰もその姿を見てくれへんのと一緒や。
成功した喜びを分かち合える人がおらんと、その価値が半減するってことやね。自分の努力や成果を認めてもらうことも、成功の一部やってことや。
【出典】
「史記」
楚の項羽が故郷を懐かしみ、帰りたい気持ちから言ったことば。
【対義語】
・錦を衣て昼行く
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「錦を衣て夜行くが如し」の解説
カンタン!解説
「錦を衣て夜行くが如し」ということわざは、自分が頑張って出世したり、何か大きな成功を収めたりしても、それを誰にも認めてもらえなかったら、その成功が意味をなさないということを教えている言葉なんだよ。
このことわざはね、とっても美しい錦の衣服を着ているけれど、夜道を歩いていて、誰からもその美しさを見てもらえない、という状況を例えに使っているんだ。
たとえば、学校で素晴らしい絵を描いたけど、誰にも見せる機会がなかったり、誰も褒めてくれなかったら、ちょっと寂しいよね。それと同じで、「錦を衣て夜行くが如し」とは、どんなに素晴らしいことを成し遂げても、それを評価してくれる人がいなければ、その価値が半減してしまうってことを言っているんだよ。
このことわざは、人は自分の成果や成功を他人に認めてもらいたいという気持ちを持っていること、そして、他人からの評価や認識が、自分の努力や成功に価値を加えることを教えてくれているんだね。
「錦を衣て夜行くが如し」の使い方
健太くん。故郷に帰らないの?
帰る気はないよ。
せっかく出世したのに、錦を衣て夜行くが如しよね。
だれかに賞賛されるために出世したわけじゃないから、帰る必要はないんだ。
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「錦を衣て夜行くが如し」の例文
- 「正月くらいは帰ってこい。錦を衣て夜行くが如し、むなしい人生になるぞ」と父に脅された。
- せっかく立身出世したんだから、故郷の人達に賞賛されたい。故郷に帰らないと錦を衣て夜行くが如しだ。
- 功を成したのに故郷から足が遠のくと、錦を衣て夜行くが如し甲斐がない。
- そろそろ生まれ故郷に帰ろうかな。このまま帰らないと、錦を衣て夜行くが如しだ。
- 大成功してお金持ちになったが、生まれ育った土地に帰らなければ錦を衣て夜行くが如しむなしさだ。
立派になった自分を見せる機会がなければ、その出世の価値が十分に認識されないということを示している言葉なんだ。