「二桃三士を殺す」の意味(出典・故事・語源由来)
【ことわざ】
二桃三士を殺す
【読み方】
にとうさんしをころす
【意味】
奇計で人を自滅させること。
この言葉は、そういう計略の危険性を教えてくれるんや。有能な人たちが争うのは、全体としては大きな損失になるってことやね。互いに協力することの大切さを思い出させてくれる言葉やな。
【出典】
「晏子春秋」
【故事】
中国春秋時、斉の景公に公孫接・田開疆・古冶子の三人の勇士がいて、ともに手柄を誇ってわがままであった。景公は宰相晏子の進言で、三人に二個の桃を与え功の大きい者二人で食えといった。公孫接と田開疆が桃を食ったが、古冶子の戦功を聞いてとても及ばないと恥じて自殺した。古冶子も一人生きながらえるのを潔しとせず、友に続いて自殺した。
【語源由来】
二個の桃で三人の勇士を殺す意から。
「二桃三士を殺す」の解説
「二桃三士を殺す」という故事は、「晏子春秋」に由来する話で、賢い手段を使って有能な人々を自滅に導くことのたとえなんだよ。この話は、斉の景公のもとにいた三人の勇士(公孫接、田開疆、古冶子)がおり、彼らが互いに功を競い合っていたことから始まるんだ。
景公は、宰相の晏子の計略に従って、これらの勇士にたった二個の桃を与え、「功の大きい者二人でこれを食べよ」と言ったんだ。公孫接と田開疆は自分たちの功を強調して桃を食べたけれど、古冶子は自分の功が彼らに及ばないと知り、恥じて自殺したんだ。そして、古冶子の死を見た後、一人生き残ったことを恥じた田開疆も自殺してしまったんだよ。
この話は、賢い策略によって、互いに競争している有能な人々が自分自身を害することになるという教訓を含んでいるんだね。自己中心的な競争や誇示が、最終的には自滅につながることを示しているとも言えるよ。この故事は、人間の自尊心や競争心を巧みに利用した晏子の策略の妙を表しているんだ。
「二桃三士を殺す」の使い方
「二桃三士を殺す」の例文
- 二桃三士を殺すように、目障りだった社員を自滅させる。
- 自分で手を下したくないので、二桃三士を殺すごとく策略で自ら破滅の道を選ばせる。
- 首にすると裁判沙汰になりかねないから、頭を使って二桃三士を殺す。
- リストラすると退職金が発生するし、二桃三士を殺すように自己退社に追い込む。
- 手のひらで転がすように、二桃三士を殺すとはやり手だな。