「引いて発たず」の意味(出典・語源由来)
【ことわざ】
引いて発たず
【読み方】
ひいてたたず
【意味】
勉強のやり方だけを教えて、あとは自分で考え習得させること。
自分で考えて学ぶことで、知識も技能もより深く、しっかり身につくってわけや。学ぶ人が自分の力で知識を得ることを促す教え方やね。
【出典】
「孟子」
【語源由来】
弓を教えるものが、弓を十分に引いて見せて矢を放たないでいるということから。
「引いて発たず」の解説
「引いて発たず」という言葉は、教育や指導の方法に関する考え方を示しているんだ。これは、「孟子」に由来する表現で、教える側が基本的な道筋や方法を示すだけで、その先は学ぶ側が自ら探求し、自分自身で学び取るように促すという教育の姿勢を表しているよ。
この言葉は、直接的に全てを教えるのではなく、学び手が自分で考え、自分で学ぶ力を育むように導くことの重要性を強調しているんだ。つまり、教える側は「引き出す」役割を担い、学び手自身に「発する」こと、つまり自主的に学び、理解を深めるプロセスを経験させるというわけだね。
この教育法は、単に知識を伝えるだけではなく、批判的思考能力、問題解決能力、自主的な学習能力などを育むことを目的としているよ。学び手が自らの力で知識や技能を習得し、さらにはそれを超えて新たな発見をすることを奨励しているんだ。
「引いて発たず」という考え方は、教育者にとっても学び手にとっても、双方が積極的に関与する学習プロセスを促すもので、より深い理解と自立した学習者を育てるための有効な方法として古今東西で尊重されているんだよ。
「引いて発たず」の使い方
「引いて発たず」の例文
- 子どもに教える時は、引いて発たず自分の頭で考える余地を与える。
- 全て教えれば全生徒を合格させる自信があるが、引いて発たず指導しないと、この塾を離れた後、彼等は困ることになるだろう。
- 弟子を思うがゆえに、引いて発たずどうすればよいか考えさせる。
- 手を貸したくなる気持ちをぐっとこらえ、引いて発たず子供たち自身による成長を見守る。
- 引いて発たず努力させることが、真の教育だ。