「肉を切らせて骨を断つ」の意味(語源由来・類義語・英語訳)
【ことわざ】
肉を切らせて骨を断つ
【読み方】
にくをきらせてほねをたつ
【意味】
自分も傷つくことを覚悟して、それ以上の重傷を相手に負わせて勝つということ。
これは、自分にも痛みを受け入れる覚悟で、大きな勝利を狙うことを教えてくれる言葉やね。自己犠牲を伴うけど、それで大きな成果を得るってわけや。
【語源・由来】
剣道で強敵を倒すための極意として使われる言葉。
【類義語】
・皮を切らせて肉を切り、肉を切らせて骨を切る
・身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
【英語訳】
Give an inch to get a mile.
「肉を切らせて骨を断つ」の解説
「肉を切らせて骨を断つ」ということわざは、自分が痛みを受けることをいとわず、それによって相手にもっと大きな打撃を与えるという意味なんだよ。
たとえばね、何か競争や争いの中で、自分もダメージを受けるかもしれないけど、それで相手にもっと大きな損害を与えるような行動をとることがあるよね。このことわざでは、自分の「肉」を切らせてでも、相手の「骨」を断つ、つまり相手に決定的な打撃を与えることを表しているんだ。
これは、自分もリスクを背負うことを恐れずに、大きな目標や勝利のために全力を尽くすことを意味しているんだよ。だから、「肉を切らせて骨を断つ」というのは、「自分にも痛みがあるけど、それ以上の損害を相手に与える」という意味の言葉なんだね。
「肉を切らせて骨を断つ」の使い方
「肉を切らせて骨を断つ」の例文
- 時代劇で、お侍さんが肉を切らせて骨を断つという言葉通りの、相手にあえて皮膚を切らせ血が出たところで油断をさせて、自分は骨まで達するようなとどめをさす場面を見た。
- 肉を切らせて骨を断つというように、相手チームに今は点を取らせて油断させておいて後半は猛攻撃開始でもう点は取らせない。
- ボクシングの試合で、相手にわざとすきを与えて、それを利用して相手をカウンターで倒した。肉を切らせて骨を断つ作戦だ。
- 肉を切らせて骨を断つというが、今日の相手は強いから、肉でもなんでもくれてやれ、ただ勝利だけは奪われるな。
- 肉を切らせて骨を断つというように、肉は切られても相手にもっと深手を負わせるつもりで行ってこい。
- 肉を切らせて骨を断つというが、経営が危ないと見せてライバル会社を油断させたところで新商品を出し、完膚なきまでに叩き潰した。
一口メモ
「肉を切らせて骨を断つ」は肉屋さんの言葉ではなく、水滸伝の戦略の一つである。
のちに、真剣の立ち合いの心得として「皮を斬らせて肉を斬る、肉を斬らせて骨を断つ」という教えとなる。中でも初太刀一本に全身全霊を込める薩摩示現流は「肉を切らせて骨を断つ」剣であると恐れられた。