「薄氷を履むが如し」の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)
【ことわざ】
薄氷を履むが如し
【読み方】
はくひょうをふむがごとし
【意味】
川や湖、池などに張った薄い氷の上を歩くように危険きわまりないということ。
人生でそういう状況に立たされた時は、慎重に一歩一歩進む必要があるんやろな。落ち着いて、焦らずに状況を見極めることが大切やね。
【語源・由来】
「薄氷」は、うすい氷のこと。水面にはったうすい氷の上を歩くように、危険だということから。
【出典】
「詩経・小雅」に「戦戦兢兢として深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如し」とあるのに基づく。
【類義語】
・危うきこと虎の尾を踏むが如し
・危うきこと累卵の如し
・蜘蛛の巣で石を吊る
・氷に座す
・氷を歩む
・重卵より危うし
・深淵に臨んで薄氷を履むが如し
・虎の尾を踏む
・虎の口へ手を入れる
・竜の頷の珠を取る
・竜の鬚を撫で虎の尾を踏む
・累卵の危うき
・累卵より危うし
【英語訳】
Walk on eggs.
「薄氷を履むが如し」の解説
「薄氷を履むが如し」という表現は、「詩経」に由来する言葉で、極めて危険な状況にあることや、非常にリスクが高い行動をすることを例えているんだ。薄氷を歩くという行為は、少しでも重心がずれると氷が割れて落ちるかもしれないという、非常に緊張感のある状況を想像させるね。そのため、この言葉は、取り返しのつかないような失敗や危険に直面している状態を表現するのに使われるよ。
たとえば、大きなリスクを伴うビジネスの取引や、借金をしてまで行う投資などが「薄氷を履むが如し」と表現されることがあるよ。また、人間関係での微妙な立場や、公の場での緊張感ある発言など、慎重に行動しなければならない状況も、この言葉で表されることがあるね。
この表現は、ただの困難やリスクを超えた、文字通りの「一歩間違えれば大きな失敗につながる」という極限状態を伝えるために用いられるから、使われる場面では、その状況の切迫感や緊張感が伝わってくるんだ。
「薄氷を履むが如し」の使い方
「薄氷を履むが如し」の例文
- 彼は自分を言葉の番人だと思っているふしがあるので、話をする時は、薄氷を履むが如し思いで一語一語に注意して言葉を発しなくてはいけない。
- 計画の進行中に何度も薄氷を履むが如し思いを味わってきたが、いま、ほとんど最悪の事態とも思えるものが、突然発生した。
- 彼女がたとえ、文句のつけようがない優秀な女性だったとしても、その社内での立場の微妙さと言ったら、薄氷を履むが如し危うさなのである。
- いつ殺されるかわからない専制君主だったから、信長の家来たちは、つねに戦々恐々として、薄氷を履むが如しの心地でいたに違いない。
- ぎっくり腰を一度経験してから、繰り返し腰痛に悩まされるようになり、腰を曲げるにも薄氷を履むが如し動きで生活している。
つまり、いつ何が起こるかわからない、非常にリスクの高い状況にあるという意味なんだね。