「庇を貸して母屋を取られる」の意味(類義語・英語訳)
【ことわざ】
庇を貸して母屋を取られる
【読み方】
ひさしをかしておもやをとられる
【意味】
軒先だけと思って貸したのに中心部の建物まで占拠されるということで、一部を貸したために全体を取られるたとえ。好意につけ込まれてひどい目に遭うこと。
他人に対しても、自分に対しても慎重になる必要があるわけや。
【類義語】
・愛犬に手を噛まれる
・後足で砂をかける
・恩を仇で返す
・飼い犬に手を噛まれる
・陰に居て枝を折る
・片屋貸して母屋取られる
・獅子身中の虫
・借家栄えて母屋倒れる
・鉈を貸して山を伐られる
・軒を貸して母屋を取られる
【英語訳】
Give knaves an inch and they will take a yard.
「庇を貸して母屋を取られる」の解説
「庇を貸して母屋を取られる」っていうことわざはね、小さいお願いを聞いたら、結果的にもっと大きなものまで取られちゃうってことを教えてくれる言葉だよ。
例えばね、誰かが「ちょっとこのペンを借りてもいい?」って聞いてきたとするよ。それで、「いいよ」と言ってペンを貸したけれど、その後にその人がノートも、消しゴムも、もっとたくさんの物をどんどん借りていくことになったと想像してみて。最初は小さなことだったけど、だんだんと大切なものまで取られちゃうことがあるんだよ。
それともう一つの意味はね、誰かを助けたのに、その人がその恩を忘れて、かえってひどいことをする場合もあるんだ。たとえば、誰かを家に泊めてあげたのに、その人がずっと居座ってしまったり、家のものを勝手に使ったりするようなことがそれにあたるね。
このことわざは、助けるときにはちょっと注意も必要だって教えてくれるんだ。いつも相手を信じることは大切だけど、時にはちょっと慎重になることも必要ってことなんだよ。
「庇を貸して母屋を取られる」の使い方
「庇を貸して母屋を取られる」の例文
- 困ってるというから、空いている部屋を貸してあげたのに、妻が彼と逃げてしまったので庇を貸して母屋を取られるという言葉の気分だ。
- 一口ちょうだいというから、どうぞと言ったら、半分以上食べられたので、庇を貸して母屋を取られるとはこのことかと思った。
- 就職が決まらないというから、自分の店で雇ってあげたら、彼は才能を発揮して、さらに、店を乗っ取られたので庇を貸して母屋を取られるという言葉を思い出した。
- 単行本のページが余ったので、アシスタントさんにページを譲ってあげたら、自分より人気が出て、連載をとられたので庇を貸して母屋を取られてしまったと後悔した。
- 海外の企業に出資してもらい、経営を立て直す計画を立てたが、株主から庇を貸して母屋を取られることにならないかという懸念が上がった。
これは、最初は小さい援助だったとしても、その結果として大きな損失に繋がる可能性を示しているね。また、恩をあだで返すような裏切りの行為を指す場合もあるよ。