【ことわざ】
尾生の信
【読み方】
びせいのしん
【意味】
約束したことは必ず守ることのたとえ。また、融通がきかない馬鹿正直のたとえ。
【語源・由来】
「史記」「荘子」より。魯の国の尾生という男が女性と橋の下で会う約束をしたが、女性は来なかった。そのうちに大雨で川が増水したが、尾生は約束を守って待ち続け、橋脚を抱いて溺死したという故事から。
【類義語】
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【対義語】
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【英語訳】
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「尾生の信」の使い方

健太くんは、尾生の信という言葉のように馬鹿正直な人だから、大人になったら、誰かにだまされてしまうんじゃないかって心配なのよ。

ええ~。大丈夫だよ。僕は正直だから、きっと、愛されながら世の中を渡っていけるよ。

そうだといいんだけど。健太くんの正直さは、なかなか真似できないレベルだから、世の中に汚されてほしくないのよ。

大丈夫。いつまでも尾生のように生きていくよ。
「尾生の信」の例文
- あの人は、まさに尾生の信のような人だから、早くも遅くもなく、時間通りに来るよ。
- 彼は、尾生の信という言葉通りの人だから、安心してお金を貸せるんだ。
- 彼女は、尾生の信という言葉のように正直者だから、彼女が担当であれば喜んで契約するよ。
- あの子は尾生の信という言葉の通りの性格だから、心が顔に出てしまうし刑事には向かないんじゃないかな。
- 君は、尾生の信のように馬鹿正直だから、海外へ行くなら、もう少し人を疑うことを知りなさい。
まとめ
「荘子」「盜跖(トウセキ)篇」の中で、孔子と大泥棒の盜跖に対話をさせ、その中で、盜跖の口から尾生の話を語らせて、更に「こんな奴は、自分の名目(約束は絶対に守ること)にこだわって命を軽んじ、人間の本性に立ち返って、寿命を全うしようとしない者だ」と言わせている。信義に厚いとするのか、愚とするのか、意見が分かれる言葉である。