「大匠は拙工の為に縄墨を改廃せず」の意味(語源由来・出典・故事)
【ことわざ】
大匠は拙工の為に縄墨を改廃せず
【読み方】
たいしょうはせっこうのためにじょうぼくをかいはいせず
【意味】
学ぶ者がついていけないからといって教育の程度を下げることはしない。
大工さんが縄墨で線を引くのに、未熟な大工に合わせて方法を変えたりやめたりしないように、先生も基準を変えずに教えてくれるべきやってことやねん!
【語源・由来】
大工の棟梁は、未熟な大工のためにすみなわを引く方法を変えたり、引くのをやめたりすることはないという意味から。
【出典】
「孟子」
【故事】
孟子の弟子の公孫丑が弱音をはいて「先生の説く道は高尚で偉大過ぎて天に登るようだ。とても我々にはついていけない。どうか程度を下げて手加減してくれないか」と言ったのに対し、孟子が答えたことば。
「大匠は拙工の為に縄墨を改廃せず」の解説
「大匠は拙工の為に縄墨を改廃せず」ということわざはね、簡単に言うと、教育の基準は、学ぶ人がついていけないからといって、レベルを下げることはしないっていうことだよ。
例えばね、大工さんが未熟な弟子のために、線を引くための方法を変えたり、線を引かなくてもいいと言ったりしないようなことを指しているんだよ。
「縄墨」というのは、大工さんが木材などに線を引くのに使う道具のことなんだ。大工さんは、その縄墨を使って正確な線を引いて、仕事をするんだよ。
このことわざでは、大工の棟梁(とうりょう)が、自分よりも未熟な大工のために、教える方法を変えずに固守する姿勢を褒めているんだね。大工の棟梁は、教育の標準を下げずに、未熟な弟子たちに正確な技術を教え続けることが重要だと言っているんだ。
「大匠は拙工の為に縄墨を改廃せず」の使い方
「大匠は拙工の為に縄墨を改廃せず」の例文
- わかりやすい勉強Youtube動画がはやっているが、大匠は拙工の為に縄墨を改廃せずというから私はかみ砕いて話さない。
- 理解できるように自分で努力すればいい。大匠は拙工の為に縄墨を改廃せずという。
- 授業についていけないものは救済しない。大匠は拙工の為に縄墨を改廃せずというように分かりやすくしようなんて毛頭思わない。
- 受験に合格してきた君たちなら理解できるだろう。落ちこぼれが出たとしても、大匠は拙工の為に縄墨を改廃せずというので、授業のレベルはこれ以上は下げない。
- ちゃんと予習して来ればついてこれるはずだから、大匠は拙工の為に縄墨を改廃せず、簡潔に説明するようなことはしない。
まるで、大工の棟梁が、未熟な大工のために線を引く方法を変えたりやめたりしないように、教える側は基準を変えずに教え続けるべきだと言っているんだ。