「堂に升りて室に入らず」の意味(出典・語源由来・故事)
【ことわざ】
堂に升りて室に入らず
【読み方】
どうにのぼりてしつにいらず
【意味】
学問・技量がかなり高いレベルに達しているが、奥義を極めるに至っていない。
つまり、ある程度は上手になったけど、まだまだ上を目指せるって感じか。学びや技術での中途半端な感じを表してるんやな。
【出典】
「論語」
【語源由来】
面座敷には入っているが、まだ奥の間には入っていない意から。
【故事】
孔子が弟子の由(子路)が瑟(大型の琴)を爪弾く様子を見て「どうも子路の弾く瑟は私の門下で奏でるようなものではない」と言ったので、それを聞いた門人たちは子路を敬わなくなった。そこで孔子は「由や堂に升れり、未だ室に入らざるなり(子路の技量は十分にすぐれている。面座敷には上がれたが、奥の間にはまだ入ることができないというだけのこと)」と評して子路をかばい、門人たちの不見識に注意を促した。
「堂に升りて室に入らず」の解説
「堂に升りて室に入らず」という言葉は、ちょっとわかりにくいけど、簡単に言うとね、「もうちょっとで全部わかるけど、まだ最後の一歩が足りない」みたいな意味だよ。
例えば、友達とゲームで対戦して、もうちょっとで勝てる!と思っても、最後の最後で負けちゃうこと。そんな感じの、もう少しで完璧!ってところまで来ているけど、最後の一歩が足りない状態を指すんだ。
このことわざは、昔の中国の本「論語」に出てくる言葉で、元々は建物のことを指していてね、「堂」とは、家の入口みたいなところで、客を迎える場所のこと。「室」とは、もっと奥の部屋、特別な場所を指しているんだ。だから、この言葉で言っているのは、家の入口までは入ったけど、もっと奥の部屋まではまだ入っていない、っていう感じ。つまり、学びや技能の中で、もうちょっとで最後まで達するけど、その最後の一歩がまだ足りない、という意味になるんだよ。
「堂に升りて室に入らず」の使い方
「堂に升りて室に入らず」の例文
- Youtubeなどで簡単に学べるようになったが、堂に升りて室に入らずというレベルの人間が増えた。
- 人間国宝になるには月日が培う経験が必要だから、若輩者の僕はまだまだ。どれだけ賞賛されても、堂に升りて室に入らずだ。
- 彼はあと一歩、堂に升りて室に入らずという感じだ。このまま続けていれば、いずれ極めそうだが。
- こらえ性のない若者が増え、堂に升りて室に入らずの状態でやめてしまう者が多いのが残念だ。
- 彼の技術は相当なものだけど、堂に升りて室に入らずで師匠には遠く及ばない。