「白刃前に交われば流矢を顧みず」の意味(出典・語源由来)
【ことわざ】
白刃前に交われば流矢を顧みず
【読み方】
はくじんまえにまじわればりゅうしをかえりみず
【意味】
大きな困難を前にしては、小さな困難を顧みる余裕のないこと。
大きなことに集中すると、他の小さい心配事は気にならんようになるんやね。
【出典】
「宋書」
【語源由来】
刀を抜いて敵と切り合っているときには、流れ矢を打ち払う余裕はないという意から。
「白刃前に交われば流矢を顧みず」の解説
「白刃前に交われば流矢を顧みず」ということわざは、「宋書」の袁顗伝に由来し、文字通りには白刃(敵と刃を交えること、つまり剣や刀で戦うこと)が目の前で交わされるような極めて危険な状況の中では、飛んでくる矢(流矢)を気にかける余裕はないという意味を持つたとえ話なんだ。
この表現は、直面している大きな危機や困難があるときには、比較的小さな問題や危険には注意を払う余裕がないという状況を示しているんだ。つまり、大きな問題や危機に直面しているときには、それに集中し、小さな問題やリスクは無視されがちであるということを教えてくれるんだよ。
このことわざは、人が生存や重要な課題に直面したときの心理的な焦点や優先順位の変化を示しているんだ。大きな危険や問題に直面すると、人はその瞬間の生存や最も重要な課題に全ての注意力を集中させるため、他の小さな問題や危険には気が回らなくなるという人間の本能的な反応を反映しているんだね。それは、緊急事態においては、人々が最も差し迫った危険に対処するために他のことを顧みないことがあるという現実を表しているんだ。
「白刃前に交われば流矢を顧みず」の使い方
「白刃前に交われば流矢を顧みず」の例文
- 白刃前に交われば流矢を顧みずというが、地震の避難の際は、逃げるだけでなく落下し割れたガラスの破片などで足を切らないよう注意する必要がある。
- 遅刻しないよう急ぐことに精一杯で、白刃前に交われば流矢を顧みず、鳥の糞が頭に落下したことに気付かなかった。
- 爆撃はよけられたが、白刃前に交われば流矢を顧みずというように、火災に注意を払えず火傷した。
- 包丁を振り回す男から逃げようとして、白刃前に交われば流矢を顧みず階段を踏み外し、結局けがをした。
- 目の前の危機回避に集中しすぎて、白刃前に交われば流矢を顧みずのごとくスズメバチの存在を認識できず刺された。