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出典:宋書(そうしょ)の故事ことわざ一覧

『宋書』は、中国南朝宋の時代を記述した正史で、計100巻からなる紀伝体の歴史書です。沈約(しんやく)が南朝斉の武帝の勅命を受けて編纂しました。

本作は二十四史の一つに数えられます。

作業には、以前に何承天・山謙之・蘇宝生・徐爰らが書いた『宋書』が参考として用いられました。本紀と列伝は1年ほどで完成しましたが、志の部分の完成には10年以上を要しました。そのため、完成は南朝梁の時代に入ってからとなります。

南朝宋が滅亡した時期がこの書の編纂時期と近いため、同時代の資料や証言を多く取り入れており、その資料的価値は非常に高いです。

特に注目される部分として、「夷蛮伝」には日本に関する記述があり、倭の五王と呼ばれる日本の支配者からの朝貢が記されています。

これは、この時代の日本の情報として貴重な資料として認識されています。ただし、「夷蛮伝」は早い時期に失われてしまい、後世、特に10世紀の宋時代に内容が補完された可能性が指摘されています。