「顰みに倣う」の意味(出典・故事・類義語・英語訳)
【ことわざ】
顰みに倣う
【読み方】
ひそみにならう
【意味】
善し悪しも考えずに、やたらに人のまねをする。また、他人にならって物事をするのを謙遜していう言葉。
謙遜して使うときは、「自分はただ他人の後を追ってるだけや」と言う意味で使われることもあるんや。自分で考えることも大事やけど、時には他人から学ぶこともあるから、バランスが大事やね。
【出典】
「荘子」「天運」
【故事】
「顰み」とは、眉間にしわを寄せること。 「荘子」「天運」より。美女の西施が、心臓の病のために苦しげに眉をひそめたのを醜女が見て、美しいと思い、自分もそのまねをしたが、それを見た人は気味悪がって門をとざしたことから。
【類義語】
・西施の顰みに倣う
【英語訳】
is to follow
「顰みに倣う」の解説
「顰みに倣う」ということわざは、中国の古い思想家、荘子の「荘子」に出てくる話から来ているんだよ。このことわざは、人がただ見たままに、他の人の行動を真似することを言っているんだ。
たとえばね、誰かが新しいスタイルの服を着ているのを見て、それが自分に合っているかどうか考えもせずに、同じような服を買って着るような行動が「顰みに倣う」にあたるんだよ。つまり、自分でちゃんと考えることなく、他の人がしていることを真似することを指す言葉なんだ。
また、この言葉は少し謙虚な意味でも使われることがあって、「私なんてただ人のまねをしているだけですよ」というふうに、自分の行動を控えめに表現する時にも使われるんだね。
「顰みに倣う」の使い方
「顰みに倣う」の例文
- 顰みに倣って絵をかいていても賞をとれないから個性を出していかないと。
- 顰みに倣ってピアノを弾いたら入賞できたので、びっくりした。
- カラオケ大会で優勝したので、顰みに倣って歌っただけですとコメントした。
- 今回の映画での演技をほめられ、賞をもらったので、尊敬する大女優の顰みに倣ったおかげなので、私ごときが賞をいただくなんて恐れ多いと言った。
- 私は先生を尊敬していので、顰みに倣って先生と同じように茶道を習い哲学的思想を深めることにしました。
まとめ
西施は越随一の美女として有名で、呉王夫差を堕落させる目的で呉に送り込まれたのだといわれている。ちなみに、呉王夫差と越王勾践といえば臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の故事の元になった二人。この言葉は、うわべだけ真似ることの愚かさを表す言葉として使われるが、 人を真似ることが何から何まで悪いわけではない。尊敬する人物の立派な行いや作品を自分も真似てみることは、悪いことではない。それが、いずれ自分のものになることもあるからだ。ただ、あまり立派な人の真似をすると、私ごときがと気恥ずかしくなってしまうものである。これが、顰みに倣うの二番目の意味、「他人に見倣ってすることを謙遜していう」である。
つまり、自分の行為が他人から見てどうかは判断せずに、単に他人を模倣していることを認めるという意味合いも持っているね。