【ことわざ】
兄たり難く弟たり難し
【読み方】
けいたりがたくていたりがたし
【意味】
両者ともとても優れているので、優劣をつけにくいというたとえ。
【語源・由来】
「世説新語(せせつしんご)」徳行(とくこう)に、太丘の言葉として、
「元方(げんほう)は兄為(た)り難く、季方(きほう)は弟為り難し」とあるのに基づく。
両者の実力が伯仲(はくちゅう)しているので、元方を優るとも、季方を劣るとすることもむずかしい。
太丘とは、元方と季方の父で、後漢の霊帝に仕えて争訟を巧みに裁いたといわれている。
【類義語】
・双璧(そうへき)
・伯仲の間(はくちゅうのかん)
・いずれ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)
【対義語】
–
【英語訳】
The superiority and inferiority is not acquired which is superior.
「たり」とは、「とあり」が転じたもの。
一致している、資格があるという意味を表す。
一致している、資格があるという意味を表す。
「兄たり難く弟たり難し」の使い方

ずっと作っていたプラモデルが、昨日やっと完成したんだ。

そうなの?健太くんのお兄さんも、プラモデル作りがとても上手よね。

うん。どっちが上手いか、お父さんに審査してもらったら、引き分けになったよ。

兄たり難く弟たり難しということね。
「兄たり難く弟たり難し」の例文
- 今回の選考で最後まで残った二つの作品は、どちらも素晴らしく兄たり難く弟たり難しだった。
- あの二人は仲が良いだけじゃなくて、とても優秀なんだ。兄たり難く弟たり難しということだ。
- 父はいつも、兄たり難く弟たり難しといって、兄とぼくのどちらも優秀だと褒めてくれた。
「兄たり難く弟たり難し」の、「たり」を「足り」と書くのは誤り。
まとめ
兄たり難く弟たり難しというように、優劣をつけがたいほどに、両方とも優れているということは、素晴らしいことですね。