「去る者は日日に疎し」の意味(出典・類義語・英語訳)
【ことわざ】
去る者は日日に疎し
【読み方】
さるものはひびにうとし
【意味】
・死んだ人は、月日がたつにつれ次第(しだい)に忘れられるもの。
・親しかった者でも、遠ざかれば次第にその人への情が薄れるもの。
まぁ、人間ってのはそういうもんやな。でも、大切な思い出は心の中にずっと持っておきたいもんやね。
【出典】
「文選」の詩で「去る者は日に以て疎く、来たる者は日に以て親し(別れた者とは日増しに疎くなり、こちらへ近づいてくる者とは日増しに親しくなるものだ)」です。
【類義語】
・遠くなれば薄くなる(とおくなればうすくなる)
【英語訳】
Out of sight, out of mind.(目に見えないものは忘れられる)とか Far from eye, far from heart.(目から遠ざかれば心から遠ざかる)という英語訳があります。
「去る者は日日に疎し」の解説
「去る者は日日に疎し」っていうことわざは、簡単に言うと、亡くなった人や、離れてしまった友達のことは、時間がたつにつれてだんだん忘れてしまう、また仲良かったけど、長い間会わなくなると関係が徐々に薄くなってしまうっていう意味だよ。
例えばね、小学校のときのクラスメートとはすごく仲良かったけど、中学や高校に進学して別々の学校になったり、大人になってから会わなくなると、最初は時々思い出すけど、時間がたつとだんだんと思い出さなくなっちゃうことがあるんだ。それと同じで、大切な人が亡くなっても、最初は毎日悲しんで思い出すけど、年月が経つと少しずつ忘れてしまうこともあるんだよ。
このことわざは、人間の感情や記憶が時間とともに変わっていく、っていう自然なことを伝えているんだね。
「去る者は日日に疎し」の使い方
「去る者は日日に疎し」の例文
- 最近ではあの人のことを話す人がいなくなったな、去る者は日日に疎し、しかたないですね。
- お付き合いしていたころはよく飲み会をしていましたが、取引がなくなり、去る者は日日に疎し、そういう機会もめっきりと減りました。
- 去る者は日日に疎しとは寂(さみ)しいもの、遠くへ転勤しなければならないのは、親友を失うことにも等しいことです。
- 去る者は日日に疎しとはいいますが、忘れることも大事な時があります。
「去る者は日日に疎し」の文学作品などの用例
鷲見柳之助は其妻を亡ってはや二七日になる。去る者は日に疎しであるが、彼は此十四日をば未だ昨日のように想っている。(尾崎紅葉の多情多恨より)
まとめ
去る者は日日に疎しということがないように、祖先(そせん)を供養するお彼岸(ひがん)という仏事(ぶつじ)があります。一年で昼と夜の長さが同じになる春分と秋分の日の前後に行われます。昼夜の偏りがないような時期に設定されているのは、仏教の中道(ちゅうどう)思想に基いているからだそうです。