「清白を子孫に遺す」の意味(出典・故事)
【ことわざ】
清白を子孫に遺す
【読み方】
せいはくをしそんにのこす
【意味】
清廉潔白のよい習わしを子孫に伝えること。
お金ではなく、清廉潔白な行動が一番ええ遺産やってことやな。
【出典】
「後漢書」
【故事】
後漢の楊震は、官職にあっても常に清廉潔白であり、ご機嫌伺いに来る人も断り、車にも乗らず、常に質素であった。子供たちにも贅沢をさせず、食事も粗末でつつましく暮らしていた。知人が見かねて諫めると、楊震は「後世をして称して清白吏の子孫と為さしめん。此を以て之に遺さば亦厚からずや」と言ったという。
「清白を子孫に遺す」の解説
「清白を子孫に遺す」という表現は、財産や物質的な遺産ではなく、清廉潔白、つまり行いが汚れなく清らかであるという美徳を子孫に伝えることを意味しているんだ。このことわざは、特に公務員や役人としての心構えを示していて、物質的な富よりも道徳的な価値を大切にするという考え方を反映しているんだよ。
「清白」とは、行動や性格が清らかであり、汚れや不正がない状態を指しているんだ。この表現は、子孫に金銭や財産を遺すことも大切だが、それ以上に道徳的な価値観や正直さ、公正さなどの精神的な遺産を残すことの重要性を強調しているんだね。
たとえば、自分が一生懸命働いて得たお金を子どもたちに残すのも良いことだけれど、正直で公正な生き方、他人に対する思いやり、社会への貢献などの価値観を伝えることが、より大切な遺産となるということだよ。
「清白を子孫に遺す」は、物質的な富や地位よりも、道徳的な価値や品格を次世代に伝えることの重要性を教えてくれているんだ。それは、人としての本質的な価値や、社会における正しい生き方を子孫に教えることの大切さを示しているんだね。
「清白を子孫に遺す」の使い方
「清白を子孫に遺す」の例文
- 財産は自分たちで築き上げることができるので、清白を子孫に遺す方が良いと考える。
- 遺産は食い潰しかねないが、清廉潔白は消えずに残るので清白を子孫に遺す。
- お金は人を狂わせるし、財産分与でもめるだろう。ならば清白を子孫に遺すことで助け合って生きていってくれた方が安心だ。
- 財をなし財を残すことではなく、清白を子孫に遺すのが一番子孫のためになる。
- 遺書には「財産はすべて寄付をした。子々孫々まで清廉潔白にあれ」と書いてあった。清白を子孫に遺すと言い続けてきた祖父らしい遺書だった。