【ことわざ】
獅子身中の虫
【読み方】
しししんちゅうのむし
【意味】
獅子の体内に寄生して恩恵を受けている虫が、獅子を死に至らしめるということで、内部にいて味方でありながら、味方に害を与えるもののたとえ。
「獅子」はライオン
【語源・由来】
出典は「梵網経(ぼんもうきょう)」です。獅子の身中にすんで、これの恩恵をうけている虫が獅子の肉を食べて害毒をなすことから、仏徒でありながら仏教に害をなすものをたとえたものです。
【英語訳】
A thorn in one’s flesh.(身体の中のとげ)
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「獅子身中の虫」の使い方

あのグループの発表は良かったね。

もとは僕たちなんだよ。せっかく大切にしてきた仲間なのに、他のグループに僕たちのアイデアを教えたんだ。

健太君達にとっては獅子身中の虫ね。

フマキラーで退治して・・・。ばかばかしいからやめとこ。
「獅子身中の虫」の例文
- こんな結果になるなんて、獅子身中の虫がいたとは信じられない。
- 海外進出を企画していいますが、パートナーとなる現地企業の選定には細心の注意を払う必要があります。いつ獅子身中の虫ともなりかねませんから。
- 選挙で負けたのは獅子身中の虫がいたからなのは明白です。ただそれも自身の不徳の致すところです。
- 人間の身体は様々な微生物との共存関係にあります。ですからバランスを崩すような生活をして獅子身中の虫を出さないようにしましょう。
まとめ
「梵網経(ぼんもうきょう)」でいわれていることの真髄(しんずい)は、他の力が仏教を滅ぼすのではなくて、自らが自らを滅ぼすことを戒めていることです。盛者必衰で有名な平家も、最後は義経に滅ぼされてしましますが、その過程においては平家自らが招いた結果であったことは明白です。平家が滅んでまもなく、義経自身も悲壮な最後を向かえるのですが、それも自身が招いたこと、後の鎌倉幕府が滅ぶのも同様でした。歴史は繰り返す、現在の世界情勢を観ていると、仏教の教えではありますが共通したものがあるようです。